今回の宅建士になるための過去問対策「税・その他」の初回は「土地」についてです。
この分野の学習ポイントは、どんな土地が宅地に向くか?という視点です。
土地は宅地だけでなく農地やリゾート地など他にもあり、考慮すべき条件が幾つかあります。
ここで平成29年度の宅建士の過去問題を解いてみましょう。
問題49
4)埋立地は、一般に海面に対して比高を持ち、干拓地に比べ、水害に対して危険である。
正しいか誤りか?
土地の問題は常識的な問題も多く、難しくありません。
以下、過去の宅建士試験で出題された内容を中心にサラッと見ていきましょう。
Contents
宅建過去問解説:敷地に関する建築基準法の規定
建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備又は用途に関する最低限度の基準を定めている。
敷地に関しては19条で衛生及び安全性を規定している。
・建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならない。
・建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。
ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りではない。
土地の特徴
【山麓部】
崖錐(風化した岩くずが重力の作用により、急斜面を落下して堆積した半円錐上の地形)は、土砂流の危険が大きい。
【丘陵地、台地、段丘】
一般に水はけがよく、地耐力もあり、また洪水や地震に対する安全性も比較的高く、宅地として好条件。(新興住宅地に〇〇台地とつけられることが多い)
下記の場合もあるので注意
1)丘陵地、台地の縁辺部は、集中豪雨のときは、がけ崩れを起こす危険性がある2)台地上の浅くて広い谷は集中豪雨のときは、水につかる危険性がある。
【平坦化した土地】
1)土留めや排水の工事が十分できていないと危険2)盛土部は十分に固まらないと豪雨や地震に弱い
3)切土部と盛土部の境にまたがった宅地は、沈下量の違いにより不同沈下を生じやすく危険
【低地部】
基本的に、洪水・津波や地震に対して弱く防災的見地からは、宅地としては好ましくない。
ただし低地の中でも下記は宅地として利用できる。
・扇状地(谷の出口などに扇状に広がる微高地。ただし、土石流災害に対しては要注意)
・自然堤防(低地の川沿いに、洪水による堆積土砂などでつくられた堤防状の微高地)
・砂丘、砂洲、昔の天井川(土砂の堆積で河床がしだいに高くなり、両側の平地の面よりも高くなっている川)
【宅地として好ましくない地域】
洪水や地震に対しても弱い。
・低いデルタ地域、旧河道(昔の川の跡)・自然堤防などに囲まれた後背低地
【干拓(かんたく)地、埋立地】
干拓地は宅地としては、あまり好ましくない。
埋立地は干拓地よりは安全。しかし住宅地や商業地としては危険がある。
干拓とは:遠浅の海や湖の浅瀬を仕切り、その場の水を抜き干上がらせて陸地にしたもの
地形
地図の上で等高線が密な所:地形の斜面が急
逆に等高線が疎の所(少ない所)は、傾斜が穏やか
登記所に備えられている公図は、等高線は移入されていないので、土地の高低を判断することはできない。
山地や丘陵地、台地の縁部では、土地が崩壊することがあるが、このような土地が崩壊した跡地は、周辺と異なる植生を示し、馬蹄形状の凹地形を示すことが多い。
そのような場所は、豪雨や地震などに伴い、再び崩壊する危険性が大きい。
断層とは、地層がある面を境として互いに上下・左右にずれているもの
(断層マップで確認できる)
宅地造成上の注意
地山(自然の丘陵、その土地本来の山)を切土にして宅地を造成する場合は、がけ面を保護する必要がある。
擁壁で覆うか、また速やかに植栽をする。
高含水生の粘性土等が堆積している軟弱地盤は、盛土や建物の荷重によって大きな沈下を生じたり、側方に活動したりするので、宅地造成には注意する。
まとめ「土地」
「土地」は、毎年試験で似たような傾向の問題が出題され、また少し応用問題になっても常識的に推測できるので、確実に点を取って下さい。
以下、序文の過去問の解説です。
過去問解説
問題49
4)埋立地は、一般に海面に対して比高を持ち、干拓地に比べ、水害に対して危険である。
解答:誤り
埋立地は一般に海面い対して数メートルの比高を持ち、水害に対しても、海水を抜いて陸地とした干拓地よりは安全である。
ただし、廃棄物等による埋立地の場合は、地盤沈下の危険がある。
(参照:【平成29年 問49項4】過去問解説より)
【宅建士試験に出るポイント】
低地の中でも、自然堤防や昔の天井川は宅地として利用できるが、自然堤防などに囲まれた後背低地や旧河道は宅地としては好ましくない。
干拓地や埋立地はいずれも宅地としては好ましくないが、埋立地は干拓地よりも安全である。
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