宅建士の過去問解説【宅建業法】広告等に関する規制

今回の宅建士になるための過去問解説は、「広告等に関する規制」についてです。

宅建業法では、未完成物件に関しては、広告の表示通りに完成するとは限らないので、広告を開始する時期を制限されています。

また、誇大広告が禁止されるなど、宅地建物の広告が虚偽にならないようにしています。

ここで平成29年度の宅建士試験に出題された問題です。

問題42

宅地又は建物に係る広告の表示の中に、取引物件に係る現在又は将来の利用の制限があるが、この制限には、都市計画法に基づく公法上の利用制限だけではなく、借地権の有無等の私法上の制限も含まれる

正解か誤りか?

宅建業者の営業は広告から始まるので、上記のような「広告等に関する規制」は過去にも多く試験に出題されています。

また、日常生活でよく目にする不動産広告のチラシも広告の規制を知っていれば、違った視点からチェックできます。

是非、読んでみてください。

宅建士の過去問解説【宅建業法】広告等に関する規制

誇大広告の禁止

宅地建物取引業者は、業務に関して広告するときは、著しく事実に相違する表示をし、消費者を誤認させるような表示をすることが禁止されています。

下記の8項目が禁止対象となります。

禁止対象となる事項

禁止対象項目 内容
① 所 在 物件地理上の存在場所

②   規 模

宅地建物の面積、分譲地等の全体の広さ等
③   形   質 地目、ガス・水道等の供給施設の整備状況、新築・中古の別等
④ 現在もしくは将来の  利用の制限 建築基準法等による用地制限等の公法上の制限、通行地役権等の私法上の制限
⑤現在もしくは将来の 環境 宅地建物の周囲の状況―公益・公共施設等の整備状況や景観等
⑥ 現在もしくは将来の 交通その他の利便 交通機関の種類・所要時間、交通機関の建設計画等
⑦ 代金・借賃等の対価の額,もしくはその支払方法 代金・借賃・権利金等。現金一括払い・割賦払い・ローン付き等の別
⑧ 代金・交換差金に関する金銭の貸借(ローン)のあっせん ローンに関する審査資格、金利・返済回数等の融資条件

* 注意点

上記の①~⑧の8項目以外のものについて誇大広告を行っても、宅建業法上は、規制の対象とはなりません。

定期借地権や定期建物賃貸借契約において、通常の借地権や建物賃貸借契約であると表示したときは、本条違反になります。

総額(代金、借賃等に係る消費税額を含む)を表示する義務があります。

総額を明示すれば、消費税等を表示しない広告は行えます。

禁止される広告に該当しない事例とは?

事例)

有名業者と類似した名称を使用する広告、「50年の実績を持つ当社」と詐称した広告は?

上記の表 ①~⑧の8項目に該当しないので、誇大広告にならない。

将来についての広告

利用の制限、環境、交通その他の利便(表④~⑥)の3項目は、現在のみならず、将来のことも含む

おとり広告

顧客を誘引する目的で、広告した物件で虚偽の客寄せなどをした時は、「著しく事実に相違する表示」として誇大広告に該当する。

口頭によって人を誤認された場合

誇大広告の禁止は、すべての広告行為が対象になります。

テレビ、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌、看板等、その広告の方法は問われません。

事実を表示しないだけ、実害が発生しない場合

例えば、市街化調整区域内の宅地であるのにその事実を表示しないときなどは、消極的に表示しないことにより誤認させます。

黙示の広告(デメリット不表示)として違反になります。

また、実際に取引が発生しないなど実害が発生しない場合でも違反になります。

それは、誇大広告を行う行為自体を禁止しているので、取引の有無や実害のいかんは関係ないからです。

宅建業法以外の虚偽・誇大な宅地建物の広告に対する規制

下記は、宅建業法以外に宅地建物に関して広告の規制がある法律です。

・「不当景品類及び不当表示防止法」

・「軽犯罪法」

業界の自主法によっても規制されています。

・「不動産の表示に関する公正競争規約」

・「不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」

広告開始時期の制限

宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、都市計画法29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認がないと、当該工事に係る宅地又は建物売買その他の業務に関する広告をしてはならない(法33条)。 (参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

建物が未完成の場合・青田売りの規制

・広告開始時期の制限(法33条)

・契約締結等の時期の制限(法36条―売買・交換の契約についての制限)

・手付金等の保全(法41条―売買についての制限)

建築確認申請中の場合の広告時期の規制

建築確認を申請しただけでは足りず、建築確認後でなければ広告をすることができません。

下記の文言を明記して広告を行うのは宅建業法に違反。

「当該物件については現在確認申請中」

「売買契約は、建築確認を受けた後で締結する」

法33条と36条との違い

法33条では「売買その他の業務に関する広告」を禁止しています。

よって建物の売買の代理や媒介または貸借の代理や媒介をするという広告も禁止されています。

* 注意 この点が法36条と違いがある

予告広告が対象となる場合

予告広告とは、具体的な物件を明らかにして予告であることを示す広告のことです。

建売り住宅の青田売りで「フリープラン住宅」と広告するのも対象となります。

取引態様の明示義務

業者間取引にも適用されます。

宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となって当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは賃借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは賃借を成立させるかの別(「取引態様の別」という)を明示させなければならない(法34条1項)。

宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は賃借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない(2項)。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

【取引態様の明示時期】

明示の時期 1)広告をするとき - その広告中に
2)注文を受けたとき ー 遅滞なく、注文者に

明示の方法

 書面・口頭の別を問わない

【違反した場合】

監督 業務停止、免許取消し(情状が特に重いとき)

罰則はなし

広告以外に客から取引注文を受ける、取引の途中で変更がある場合

広告に取引態様を明示していても、お客様から注文を受けたときにも、重ねて明示しなければなりません。

もし取引の途中で従前の取引態様に変更があったときは、変更の都度、改めて取引様態を明示する必要があります。

それは、注文者にとって報酬額が違ってくるからです。

取引態様の明示の方法

取引態様の明示義務を負うのは宅建業者です。

宅建士にさせる必要はなく、また、書面や口頭のいずれの方法によっても明示することができます。

宅建過去問まとめ:宅建士の過去問解説

広告等に関する規制はいかがでしたか?

序文の問題の解説です。

正解

現在又は将来の利用制限は、公法上の制限だけでなく、私法上の制限も含まれる(同法32条)。

(参照:【平成29年 問42項2】過去問解説より)

禁止対象となる8項目の表を思い出してください。

今回の内容は、毎年1問は出題される「税その他:景品表示法」とも関連づけると覚えやすいです。

* 参考記事:宅建士になるための過去問解説:「税その他:景品表示法」は広告の理屈を理解すれば簡単!

宅建暗記のポイント「広告等に関する規定」

・誇大広告等の禁止の対象となるのは、法定の8項目に限定・おとり広告は、実際に人が誤認しなくても宅建業法に違反する。

完成物件については、工事に関して必要とされる許可等の処分があった後でなければ広告をしてはならない。

・取引態様の別の明示は、広告段階の他に、客からの注文を受けたときの取引段階でも重ねて義務付けられている。

・取引態様の別は、宅建士以外の者が明示しても、口頭で明示しても宅建業法に違反しない。

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