宅建の過去問解説【権利関係】用益物権3 (永小作権と入会権)食卓から問題攻略

前回の宅建士になるための過去問解説「権利関係:用益物権2(地役権)」は、いかがでしたか?

今回は、残りの「用益物権3(永小作権と入会権)」の2つの物権を紹介します。

これらは、農業や山林関係の仕事をしている人でない限り、一般の人にはあまり馴染みがない物権です。

しかし農業や林業の資源は、将来の私達の食生活を左右する重要な分野でもあります。

ここで宅建の過去問です。

あなたは、農地を借りて20年以上も賃料を払ってお米を作っています。

あなたは時効の制度を使って、将来も耕作できるように農地の賃借権を取得したいです。

しかし、農地法の許可がなければ、農地の賃借権は取得できないでしょうか?

上記の内容は、平成27年度の宅建士試験で出題された問題です。

農地法とは、農地及び採草放牧地の取り扱いについて定めた日本の法律です。

その目的は、国民の食料を安定供給するために農地を確保することです。

よって日本の農地は、農地以外の用途に転用する場合は、都道府県知事や市町村の長の許可が必要など、農地の転用は規制されてきました。

しかし、最近は農地転用を一部認める規制緩和も進み、農業の世界も変化していきます。

同時に、離農家も相次ぎ、耕作放棄地面積が増加する状況を食い止めるために、農業参入の規制緩和も進んでいます。

大手のセブンイレブンをはじめ、小売、外食産業など多くの異業種から、農業への新規参入が相次いでいます。

そんな私達の食卓を左右するリアルな農業事情を考えながら、永小作権と入会権について学んでいきましょう。

宅建の過去問解説【権利関係】用益物権3 (永小作権と入会権)食卓から問題攻略

宅建過去問解説:永小作権

まず永小作権とは何でしょうか?

永小作権とは、小作料を支払って耕作または牧畜をするために他人の土地を使用する物権のことである(270条)

(参照「パーフェクト宅建 基本書より」)

この永小作権は、地上権と同じように他人の土地を利用する用益物権の一つです。

他の物権と違うのは、あくまで目的は、耕作または牧畜であることです。

物権なので、譲渡性相続性も有しています。

また、永小作権は地上権とは違い、小作料の支払い義務があることに特徴があります。

支払いに関しては、下記のように覚えて下さい

・地上権:無料でもOK

・永小作権と賃借権:有償(支払い義務あり)

地上権に関して詳しくは、こちらから

* 参考記事:「宅建士になるための過去問解説【権利関係】用益物権1(地上権) もし急に住んでいる家の土地を返せと言われたら!?」

永小作権の効力

永小作権は、設定契約によって定められた目的の範囲内で、土地を使用することができます。

また永小作権を自由に譲渡したり、その土地を賃貸することができます。

譲渡を禁止する特約も有効ですが、この特約は登記をしなければ第三者へ対抗できません。

しかし第三者へ対抗できなくても、当事者間の契約であれば有効です。

永小作権の取得と存続(有効)期間

永小作権の設定や移転は、地上権と同様に登記しなければ、第三者へ対抗することはできません。

通常は、設定契約によって取得される場合が多いですが、譲渡、相続、遺言、時効などによっても取得されることもあります。

存続期間

永小作権の存続期間を契約で定める時は、20年以上50年以下と決められています。

地上権の存続期間を契約で定めない場合を覚えていますか?

存続期間が特に決まっていなければ、20年以上50年以下で、設定しましたね。

永小作権は、たとえ50年を超える期間を定めた場合でも、50年に短縮されます。

存続期間を特に定めなかった場合は、慣習により一律に30年とされています。

入会権(いりあいけん)

入会権とは、一定地域の住民(これを入会集団という)が、山林原野(入会地)において、薪木や草を最終するなど、共同で収益する慣習上の権利のことである。(263条、294条)

(参照「パーフェクト宅建 基本書より」)

民法では、この権利に関しては、各地の習慣にゆだねています。

慣習上の権利である場合が多いです。

また、入会権は登記する制度がありません

その得喪(とくそう)、変更は登記がなくても第三者に対抗できます。

(* 得喪の意味:得ることと失うこと。得失。)

日本は森林大国と言われ、国土の半分以上は森林です。

しかし、この林業でも後継者不足、木材価格の低迷など衰退が続いています。

そして最近では、中国人を中心に森林地が、外国人に大量に買い占められています。

田原総一郎氏の「北海道の土地や水源が中国に買い占められて何が問題なの?中国から輸入すれば良い。」などの意見もあります。

しかし、一番問題なのは、大事な自国の資源管理を国が野放しにしている現状です。

ベトナムなど海外では、外国人の土地購入は、法律で厳しく規制されています。

農地や林業などの土地は、国を存続させるために必要な資源です。

将来、貿易戦争になれば、資源を持ち自給自足率が高い国の方が有利です。

そんな観点から考えると、日本にある規制の中でも、林業の規制は緩いと思います。

まとめ:永小作権と入会権

永小作権と入会権はいかがでしたか?

地上権や地役権と違い、出題率は高くはありませんが、別の科目「法令上の制限」で出題される農地法に関わります。

序文の問題の答えは、

正解です!農地の賃借権は時効取得できます。

農地の賃貸借契約を締結しても、農業法の許可がなければ、その効力は生じない。

しかし、土地の継続的な用益という事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されている時は、土地賃借権を時効取得することができる。(民法163条)

この点は農地の賃借権の時効取得も同様である。

また、農地法の許可がなくても、農地の賃借権の時効取得は認められる。

(参照:【平成27年 問4-4項】過去問解説より)

継続して土地を使用している永小作人の権利は保護されています。

衰退する日本農業の事情を考えれば、農家の数を増やしたいです。

長年、真面目に耕作を続けてきた永小作人を保護するのは、当然ですよね。

一見、宅建士試験とは関係なさそうな、社会情勢も答えを導くヒントになります。

宅建過去問解説:用益物権の暗記ポイント

用益物権の中でも重要な分野は、「地上権」と「地役権」です。

下記は絶対に覚えて下さい!

ポイント

・地上権は他人の土地で工作物(建物を含む)または竹木を所有するための物権

・地上権者は地主の承諾なしに第三者へ譲渡、土地を自由に賃貸することができる

・地役権は、自己の土地の便益のために他人の土地を利用する権利。

・地役権の時効取得をするためには、「継続的に使用、外形上認識ができる」が必要。

知っておくと人生得する、関連記事も読んでみてください。

* 参考記事「宅建士になるための過去問解説:【権利関係】相隣関係。隣地境界のバトルで勝つ方法」

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