宅建士の過去問解説【権利関係】用益物権1(地上権) 住居の土地を返せと言われたら!?

今回の宅建士になるための過去問解説は、「用益物権」のうちの一つ「地上権」についてです。

「地上権」だけの出題は、過去10年間の宅建士試験では殆どありません。

しかし毎年出題される「借地借家法」に「地上権」は、非常に関係します。

他の用益物権「地役権」と共に確実に理解したい内容です。

ここで問題です!

あなたは、土地を地主から借りて、そこに家を建て約10年間、住んでいます。

地主とは、10年ごとの更新契約です。地主は、将来も長く貸してくれる予定でした。

ところが突然、地主が次の更新は無し、土地を半年以内に更地で返して欲しいと急に言い出しました。

あなたは、自分で建てた家に住み、建物登記もしていたので、直ぐに土地を返せと言われても困ります。

あなたは、土地を使い続ける事ができるのでしょうか?

地上権は、土地や建物の交渉には、欠かせない借り手側の権利です。

特に土地を借りる人は、覚えておいて損はない内容なので、是非読んでみてください!

宅建士の過去問解説【権利関係】用益物権1(地上権) 住居の土地を返せと言われたら

宅建過去問解説:用益物権とは

まず、地上権も含む用益物権とは、なんでしょうか?

用益物権(ようえきぶっけん)とは、何らかの目的で、他人の土地を利用させてもらう民法で認められている物権(権利)です。

他人の土地を使用収益することから、使用の「用」と収益の「益」をとって「用益」といいます。

用益物権は4種類あります。

・地上権

・地役権

・永小作権

・入会権

この中で宅建試験に最も出題される重要なものは「地上権」「地役権」です。

今回は、この「地上権」を中心に解説をしていきます。

地上権とは

地上権とは、他人の土地において工作物または竹林を所有するため、その土地を使用する権利のことである(265条)。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

ここでいう「工作物」とは建物だけではありません。

電柱、橋、広告塔など全ての物、地上または地下の設備なども含まれます。

また「竹林」は、主に植栽の目的となる樹木及び竹林を意味します。

また、土地の地下または空中の上下の範囲を定めて、その一空間について地上権を設定することもできます。

例えば、地下鉄や高速道路、高架線のために地上権を設定する場合は、区分地上権といいます。

賃借権と地上権の違い

地上権は賃借権と混同されることがあります。

地上権は物権であり、賃借権などの債権とは違います。

物権は目的物を自分で直接支配できます。

自らその土地を利用できるほか、その土地を賃貸する事、他人に地上権の譲渡をするのも自由にできます。

地上権に抵当権を設定するのにも、地主の承諾は必要がありません。

これに対して賃借権は、特定の地主と特定の賃借人との間に債権契約があります

地主の承諾なしに賃借人は自由に他人へ譲渡ができません。

しかし、地上権があれば、全て自由に日本で建物が建てられるわけではありません。

「賃借権」(土地の貸主と借主の当事者間)の債権契約があるからです。

それでも地上権と債権のどちらが強いかといえば、地上権の方が強いです。

これは、地主に理不尽に追い出されないように、借主の権利を法律で守っています。

無償の地上権もあり得える?

地上権の場合は、地代の支払いは要素ではありません。

地代が無償の地上権もあり得ます。

しかし賃借権の場合は、賃料の支払いが原則となります。

もし、賃借権で無償を設定する場合は、「使用賃借権」という別の契約になります。

この場合は、賃料が支払わずに借りることができます。

なぜ「地上権」と「賃借権」2つも法律があるのか?

地上権物権で、賃借権債権です。

なぜ物権が債権よりも強いのか?

なぜ2つも法律があるのか?など、これらの根拠を知りたい人もいると思います。

このような問いに対して宅建試験の講師は、「法律は約束事なので、そのように決めた事だと理解しておけばよい。」と回答しています。

法律は受け皿として2つの選択肢を用意して、決めてもらえる様にしています。 これらの判断は、当事者間に任せていると考えられます。

地上権の有効な期間と取得方法

地上権は、どれぐらいの期間が有効で、どこまで効力があるのでしょうか?

存続(有効)期間

民法上、地上権の期間はとくに制限がなく、契約で自由に定めることができます。

ただし建物所有を目的とする地上権(借地借家法)は制限があります。

・最短期間の制限:30年以上

・定期借地権を除く借地権の場合は、30年未満だと効力がありません。

また、地上権の存続期間は、登記を対抗要件とします。

登記がされていないものは、無効になるので注意して下さい。

この場合、土地と建物がセットである必要はありません。

建物所有を目的とする地上権や土地賃借権であれば、基本、その土地の上にある建物の登記だけでも有効になります。

もし地上権の契約期間を定めていない場合

民法上の慣習では、当事者の請求により、裁判所が20年以上50年以下の範囲で定めます。

よって間をとって30年になる場合が多いです。

しかし該当するのは、「工作物」「竹林」に限られます。

建物所有を目的とする地上権の場合は、上記の借地借家法により30年以上になります。

地上権の消滅原因

地上権の消滅原因として特殊なものは2つあります。

・地代の滞納による地主からの消滅請求権

・地上権者の地上権の放棄

もし、地上権者が、地代を払う旨の特約があれば、2年以上その支払いを怠った時は、地主は消滅請求をすることができます。

法定地上権

さらに地上権には、競売が実行された時には、建物を保護するための制度もあります。

抵当権設定当時に既に土地と建物が存在し、その土地と建物が同一人の所有に属していた場合に、その一方に抵当権を設定したときは、もし競売の結果、土地と建物が別人に属することになれば、建物の所有者は、当然に地上権を取得したものとみなすことにしている。(388条前段)。これを法定地上権という。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

民法は建物を保護することを目的としています。

ここで注意しないといけない事は、抵当権設定に、建物が築造される場合は、法定地上権が成立しません

もし、建物がないから目的土地を高く評価して抵当権者が手にいれたとすれば、担保不動産の価値が下がります。

その後で築造された建物のために地上権の制限を受けるとなれば、抵当権者には不測の損害をもたらすからです。

宅建過去問まとめ:用益物権1(地上権)

以上、地上権の説明は、いかがでしたか?

序文の答えは、あなたは10年で返還する必要はなく、土地を使い続ける事ができます!

地上の建物のために法律上当然に地上権が成立する場合があり、この権利を「法定地上権」という(388条)

建物所有を目的とする地上権については、借地借家法により、土地を30年以上貸さないといけない「最短期間の制限」がありましたね。

あなたは、建物登記をしていたので、第三者に対抗できます。

30年間は、その場所に住み続けることができます。

地上権者は地主に対して「登記請求権」を有し、逆に地主は「登記協力義務」があります。

この点も土地の「賃借権」と異なります。

次回記事、用益物権2では「地役権」、また用益物権3では、残りの2つの「永小作権」と「入会権」についてお伝えします。

* 次の記事  宅建士になるための過去問解説:【権利関係】用益物権2(地役権) ある日突然、道が使えなくなったら!?

どれも宅建士試験で出題されただけでなく、現実にある問題におきかえて解説していますので、是非、続きを読んでください。

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