今回の宅建士になるための宅建業法の過去問対策は、宅建業の「免許制度:免許証の交付」です。
宅建業の免許を受けるときは、免許証が交付されると共に、宅建業者名簿に登載されます。
今回は下記の赤枠の部分、「免許証交付」についての解説です。
ここで、平成27年度の試験問題です。
個人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、免許の更新の申請を怠り、有効期間が満了しあ場合、Aは遅滞なく、甲県知事に免許証を返納しなければならない。
正しいか誤りか?
有効期限切れの免許証は返納する必要があるのか?
答えのヒントは本文で・・・
宅建士資格試験に合格後、宅建業務を行う場合は、宅建士免許証の交付を申請します。
合格後で登録するイメージを持ちながら勉強してください。
Contents
宅建士の免許証の交付
宅建士の免許証は2つあります。
・個人の宅建士に交付される「宅地建物取引士」
・実際に業務を行う場合は「宅地建物取引業者免許証」
宅地建物取引士の免許証
宅地建物取引士資格試験に合格後で、宅地建物取引士になる者は、都道府県知事の登録を受け、さらに宅地建物取引士証の交付を受けなければなりません。
【宅地建物取引士証】
(参照画像:「岩手県宅地建物取引業協会」より)
宅地建物取引業者免許証
業者の免許証の様式は、国土交通大臣であれば、
国土交通大臣(○)第○○号となり、( )内の数字より1を引いたが図が免許の更新回数になります。
【宅地建物取引業者免許証】
(参照画像:「行政書士石川法務事務所」より)
宅建業者は、下記のような標識を提示する義務はありますが、免許証を提示する義務はありません。
参照画像:「不動産看板広告会社」より
町の看板屋で作成できます。
宅建士業者として登録すれば、お客様の問い合わせよりも先に、看板屋から営業電話が、かかってくる事が多いそうです。
免許証の書換え・再交付・返納
宅地建物取引業者免許証は、過去の宅建士試験で出題されています。
特に下記の3つが重要です。
【事由と申請時期】
事由 | 申請時期 | |
書換え交付 | 免許証の記載事項を変更したとき |
業者名簿の登載事項の変更届と併せて (30日以内) |
再交付 | 免許証を亡失、滅失、破損、汚損したとき | 遅滞なく |
返 納 |
・免許換えにより従前の免許が失効したとき ・免許取り消し ・亡くした免許証を発見したとき ・廃業等の届出 |
遅滞なく |
上記の書換えに該当する箇所は、免許証の中でも下記の3箇所だけです。それ以外は変わりません。
・商号または名称
・代表者氏名
・主たる事務所
また、免許証の書換え交付申請は、変更届(30日以内)と併せて行わなければなりません。
免許証の返納義務
「宅地建物取引業者免許証」の場合は、有効期間が満了後で失効しても免許の返納義務はありません。
しかし、個人の「宅地建物取引士」の場合は、失効したときは、宅地建物士を返納する必要があります。
取引士証の再交付申請との違い
宅地建物取引業者免許証の書換え・再交付・返納の申請は、「しなければならない」とされています。
しかし、取引士証の場合の再交付の申請は「することができる」とされています。
業者と違い、個人の宅建士の場合は、再交付申請は強要されていません。
宅建業者が廃業の届けをする場合
宅建業者が廃業の届出をするときは、同時に免許証も一緒に返納しなければなりません。
書換え・再交付・返納を国土交通大臣に行う場合
この場合は、その主たる事務所を管轄する都道府県知事経由ではなく、国土交通大臣に直接行う必要があります。
事務所の免許を申請する場合は、知事を経由して国土交通大臣へ申請していました。
しかし、免許証の書換え・再交付・返納は直接することをおさえて下さい!
宅建士業者名簿への登載
国土交通大臣および都道府県知事は、申請があれば、宅建業者名名簿を作成します。
免許の申請・変更届に係る書類と共に、宅地建物取引業者名簿を備え、一般の閲覧に供する義務があります。
【一般消費者が閲覧できるもの】
・宅建業者名簿
・従業員名簿
個人の宅地建物取引士の資格の登録簿や帳簿は閲覧できません。
宅建業者名簿の登載事項
・免許証番号、免許の年月日
・商号と名称
・(法人の場合)その役員、政令使用人の氏名
・(個人の場合)その者、政令使用人の氏名
・事務所の名称、所在地
・事務所ごとに置かれる専任の宅地建物取引士の氏名
・指示処分、業務停止処分を受けた場合 → その内容、年月日
個人や法人の場合は、住所ではなく、氏名の記載です。
住所は無いことがポイントです!
宅建士まとめ:免許証の交付等
今回の内容は、いかがでしたか?
序文の問題「個人である宅地建物取引業者Aは、免許の返納義務がある」についてですが、
解答は「誤り」
宅建業者は、免許の有効期間が終了しても免許を返還する必要はない(宅地建物取引業法施行規則4条の4)。
なお、宅地建物取引証の有効期限が満了したことにより、失効したときは、宅地建物取引士証を返納する必要があることに注意
(参照:【平成28年 問35項4】過去問解説より)
問題文の冒頭が「個人である宅地建物取引業者A」となっている引っ掛け問題です。
個人の宅建士免許と勘違いした人もいたかもしれませんが、Aは業者の免許登録をしています。
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