宅建の過去問解説【法令上の制限】宅地造成等規制法

テスト

今回の宅建士になるための過去問対策は、法令上の制限の「宅地造成等規制法」です。

宅地造成等規制法とは、宅地造成に伴い災害が生じるおそれが大きい一定の区域を宅地造成工事規制区域として指定し、その区域内で行われる宅地造成に関する工事について規制したものである。

ここで平成29年度の宅建士の過去問題を解いてみましょう。

問題20

4)宅地造成工事規制区域内において、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除去工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となるが、当該技術的基準を満たす必要のない地表水等を排除するための排水施設を除却する工事を行おうとする場合は、都道府県知事に届け出る必要はない。

正しいか誤りか?

「宅地造成等規制法」もポイントを暗記をすれば得点できる問題です。

本文では、過去の宅建試験に出題された部分をまとめていますので、要点をみていきましょう。

宅建の過去問解説【法令上の制限】宅地造成等規制法

宅建の過去問解説【宅地造成等規制法】とは

宅地造成に伴う崖崩れ又は土砂の流出による災害の防止のため必要な規制を行うことにより、国民の生命及び財産の保護を図り、もって公共の福祉に寄与することを目的とする(法1条)。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

用語の定義

宅地の定義は用語によって異なる。

宅地

「宅地造成等規制法」において「宅地」とは、次の土地以外の土地をいう。

農地採草放牧地及び森林道路公園河川その他一定の公共の用に供する施設(国または地方公共団体が管理する学校、運動場、墓地等)の用に供されている土地。

【試験のポイント】

上記以外の土地は全て「宅地」となる。

「宅地造成等規制法」の宅地は、ゴルフ場や民営の墓地も「宅地」になる。

宅地造成

「宅地造成」とは、宅地以外の土地を宅地にするため、または宅地において行う土地の変形の変更。

(宅地になるものだけが該当する)

1)切土 高さ2mえる崖を生じる

2)盛土 高さ1mえる崖を生じる

3)切土と盛土を同時にする 高さ2mえる崖を生じる

4)上記1)~3)に該当しない

切土または盛土する土地の面積が500㎡えるもの

宅建の過去問解説【法令上の制限】宅地造成等規制法

(引用画像:竹原市

【試験のポイント】

・宅地を宅地以外の土地にするために行うものは除く

・覚え方「盛土」の方が「切土」よりも危険。

盛り土だから1mを超えるとダメ

宅地造成工事規制区域内の規制

宅地造成工事規制区域の指定

都道府県知事(指定都市または中核市の区域内の土地については、それぞれの市長)は、

・宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地

市街地となろうとする土地の区域

宅地造成に関する工事について規制を行う必要があると認めるときは、

関係市町村の意見を聴いて、宅地造成工事規制区域として指定することができる。

宅地造成に関する工事の許可

宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については、造成主は、当該工事に着手する前に、都道府県知事の許可を受けなければならない(法8条1項)。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

[造成主] とは:宅地造成に関する工事の請負契約の注文者。または請負契約によらないで自らその工事をするもの。

工事の例外

下記の工事については、許可を要しない

・都市計画法の開発許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した宅地造成に関する工事。

「許可の条件」と「許可または不許可の通知」

都道府県知事は、工事の許可に、工事の施行に伴う災害を防止するため必要な条件を付すことができる。

許可の申請があったときは、都道府県知事は遅滞なく、許可または不許可の処分をしなければならない。

この処分は、文書をもってその申請者に通知しなければならない。

工事の技術的基準

宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事は、政令で定める技術的な基準に従い、擁壁、排水施設その他の政令で定める施設(以下「擁壁」という)の設置その他の宅地造成に伴う災害を防止するため必要な措置をされたもの

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

設計者の資格

宅地造成工事規制区域内で宅地造成を行う場合において、下記の工事は、一定の資格者が設計を行う。

高さが5mを超える擁壁の設置

2)切土または盛り土をする土地の面積が1,500㎡を超える土地における排水施設の設置。

変更の許可等

一定の軽微な変更であるときを除き、都道府県知事の許可を受けなければならない(「変更の許可」法12条1項)。

なお、変更の許可を要しない軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない(「変更の届出」法12条2項)。

工事完了の検査

許可を受けた者は、許可に係る工事が完了した場合には、その工事が技術的基準に定期豪しているかどうかについて、都道府県知事の検査を受けなければならない。

監督処分

違法工事は下記の3つの処分を行うことができる

・許可の取消し

・工事の施行停止命令

・使用禁止命令

【試験のポイント】

・「工事の施行停止命令」は「工事施行中」の監督処分

・「使用禁止命令」は「工事が完了した」の監督処分

工事等の届出

届出義務者 届出期間
宅地造成工事規制区域の指定の際、その区域内で宅地造成に関する工事を行っている造成主
(工事に既に着手し「施行中」に指定があったケース)
指定があった日から21日以内
宅地造成工事規制区域内の宅地において、一定の擁壁等の除却工事を行おうとする者 工事に着手する日の14日前までに

・宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用した者

(宅地造成に関する工事を伴わないときは、許可を受ける必要はなく、転用で届出をすれば足りる)

転用した日から14日以内

宅地の保全義務

宅地造成工事規制区域内の宅地の所有者、管理者または占有者は、宅地造成(宅地造成規制工事区域の指定前に行われたものを含む

に伴う災害が生じないように、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。

勧告と改善命令

都道府県知事は宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害の防止のため必要があると認めるときは、その宅地の所有者、管理者、占有者、造成主または工事施行者に対して、必要な措置を勧告できる。

また都道府県知事は、当該宅地、または擁壁等の所有者、管理者または占有者(第三者の行為によって災害の発生のおそれが生じた場合には、その行為をした者も含む)に対して、相当の猶予期間を付けて、改良工事を命ずることができる

造成宅地防災区域内における災害の防止のための措置

都道府県知事は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係市町村の意見を聴いて、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域で一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。

宅地造成工事規制区域内」の土地は除く

宅建「宅地造成等規制法」過去問解説まとめ

宅地造成等規制法はいかがでしたか?

取っ付きにくいかもしれませんが味方にしてください

過去問題の解答と解説

平成29年度 問題20

4)宅地造成工事規制区域内において、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除去工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となるが、当該技術的基準を満たす必要のない地表水等を排除するための排水施設を除却する工事を行おうとする場合は、都道府県知事に届け出る必要はない。

正解か誤りか?

 

解答:誤り

宅地造成工事規制区域内で、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除去工事を行おうとする場合は、都道府県知事への届出必要である。

なお、技術的基準を満たす必要のない地表水等を排除するための除去工事については、都道府県知事に届け出る必要ないとの規定はない

(参照:【平成29年 問20項4】過去問解説より)

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