宅建士の過去問解説【宅建業法】説明・告知義務(3)とまとめ

今回の宅建士になるための過去問解説「説明・告知義務」の3回目は、

「割賦販売の場合」「供託所に関する説明」と「重大な事実の不告知等の禁止」です。

前回の記事「説明・告知義務2」は、通常取引の場合の「マンションなどの区分所有」の事項説明や「取引条件に関する事項」について解説しました。

ここで前回までの復習に問題を解いてみましょう。

問題37

1)宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、物件の買受けの申し込みの前であっても宅地建物取引士証を提示しなければならないが、このときに提示した場合、後日、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証を提示しなくてもよい。

4)宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証の提示が義務付けられているため、宅地建物取引士証の提示をもって従業者証明書の提示に代えることができる。

正しいか誤りか?

平成29年度の宅建士試験では、「説明・告知義務」関連の問題が、宅建業法20問中、3問も出題されています。

37条と一緒に覚えてください。

宅建士の過去問解説【宅建業法】説明・告知義務

割賦販売の場合

「通常の取引」における15項目に加えて、次の3つの事項が追加される

・現金販売価格

・割賦販売価格

・宅地建物の引き渡しまでに支払う金銭の額・賦払金(ふばらいきん)の額、その支払い方法の時期・方法

※注意 割賦版売の場合は、「現金販売価格」と「割賦販売価格」の両方を説明事項としている。

説明が必要な事項

【取引物件に関する6つの事項】

1)登記上の権利関係

2)法令上の制限

3)私道の負担

4)水道・電気等の施設の整備状況

5)未完成物件の場合の完成時の形状・構造

6)区分所有建物の場合―敷地の権利関係・規約等

【国土交通省令で定める7つの事項】

1)造成宅地防災区域内

2)土砂災害警戒区域内

3)津波災害警戒区域内

4)石綿の使用の有無の調査の結果

5)耐震改修促進法の耐震診断の結果

6)住宅性能評価を受けた旨を説明しなければならない新築住宅

7)瑕疵担保責任の履行に関する保証保険契約

供託所等に関する説明

供託所に関する説明は、不動産取引で損害が出た場合に消費者が保証金を請求するために重要。

しかし、この供託所等に関する説明は、重要事項の説明とは別物なので、宅建士に行わせる必要はない。

説明すべき事項

保証協会の社員でない場合:営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所・その所在地

保証協会の社員である場合:社員である旨、保証協会の名称・住所、事務所の所在地、弁済業務保証金を供託している供託所・その所在地

供託所等の説明と重要事項の説明の違い

  供託所等の説明  重要事項の説明
義務の程度 するようにしなければならない  しなければならない(必ず)
説明者  宅地建物取引業者  宅建士
説明方法  口頭でも可  書面(宅建士証を明示)
違反の効果 指示処分  業務停止・免許取消し
(情状が特に重いとき)

共通点:説明すべき期間は、両者とも「契約が成立するまでの間」になる

重要な事実の不告知等の禁止<業者間取引にも適用>

故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為

相手方等の判断に重要な影響を及ぼすことになるもの

【違反した場合】

監督 業務停止、免許取消し(情状が特に重いとき)
罰則 2年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはこれの併科
(法人の場合、1億円以下の罰金)

「重要事項の説明」と「重要な事実の不告知等の禁止」との対比

  説明事項 説明の方法 故意・過失 罰則
重要事項の説明(法35条)  限定されている 定まっている 故意・過失 なし
重要な事実の不告知等の禁止
(法47条1号)
法35条を含んで
範囲が広い
定まっていない 故意 あり(2年以下の懲役・300万以下の罰金)

法35条の重要事項説明義務と法47条1号との関係

故意に法35条の重要事項説明義務に違反すると、直ちに法47条違反となり、罰則の適用を受けることになった。

さらに本条に違反した法人は、1億円以下の罰金刑が科される場合もあり得る。

従業員が規定に違反した場合もその使用者も責任が及ぶ。

宅建業の従業員及びその使用者たる法人に対する両罰規定である。

まとめ:宅建士になるための過去問解説

1)誤り 重要事項の説明をする際には、取引の関係者の請求の有無にかかわらず、必ず宅地建物取引士証を提示しなければならない(宅地建物取引業法35条4項)。

2)誤り

登録の移転の申請は、強制(しなければならない)ではなく、任意(できる)であるから、登録を移転しなければならないわけではない(同法19条の2)。

3)誤り。従業員証明書と宅地建物取引士証とは別個のものであり、従業者が宅地建物取引士であるときでも、宅地建物取引士証の提示をもって、従業者証明書の提示に代えることはできない(同法22条の4、35条4項、48条2項)。

(参照:【平成29年 問37項1、4】過去問解説より)

暗記のポイント「重要事項35条説明・告知義務」

(1)重要事項説明は、宅建業者が買主または借主になろうとする者に対し、契約が成立するまでの間宅建士の記名押印のある書面を交付して、宅建士が説明しなければならない。

・相手方が宅建業者の場合は、説明は不要で重要事項説明書の交付のみで足りる。

(2)重要事項の通常取引は2種類ある

1)取引物件に関する事項(区分所有権及び既存建物も含む)
2)取引条件に関する事項

(3)割賦販売契約は、上記(2)の通常取引に加えて、次の3つが重要事項になる

1)現金販売価格、2)割賦販売価格

3)引渡しまでに支払う金額及び賦払金の額、支払時期・方法

(4)宅地建物の瑕疵担保責任の履行に関する保証保険契約の終結等の措置の概要は、重要事項となる(37条書面では任意的記載事項)。

ただし、宅地・建物の賃借代理・媒介の場合には説明は不要である。

(5)区分所有建物の賃借の場合、下記2つのみ重要事項

1) 専有部分の用途等の規約2)管理の委託先

(6)宅地・建物の売買・交換、賃借、全ての重要事項

1)造成宅地防災区域内にある

2)土砂災害警戒区域内にある

3)津波災害警戒区域内にある

(7)建物の売買・交換・賃借契約の重要事項

1)石綿の使用の有無の調査結果の記録内容

2)耐震診断の内容

ただし、宅建業者は石綿使用の有無の調査や耐震診断の実施は義務付けられていない。

(8)供託所等の説明は重要説明事項ではなく、宅建士でなくても、また口頭でもよい。

相手方が宅建業者である場合は、説明を要しない。

(9)法35条の重要事項を含む重要な事実については説明義務があり、故意に説明しない場合は、法47条1号違反になる。

2年以下の懲役・300万円以下の罰金が科され、さらに法人は、1億円以下の罰金刑が科される場合がある。

宅建士に絶対に出る【法35条の重要事項の説明と37条書面の記載の違い】

35条と37条の違いは覚えにくいかもしれませんが、理屈で考えてみてください。

契約前に物件を買う判断をしているとき重要な説明事項を行うことが「35条の重要事項説明」です。

よって物件の情報について細かく明記しています。

一方、37条は契約事項なので、代金や引渡し時期などが重要になります。

第35条の重要事項の説明(37条の記載事項ではない)】

・手付金等の保全措置の概要

・支払金・預り金の保全措置

37条記載事項(法35条の説明事項ではない)】

・代金等の額等・引渡しの時期

・移転登記の申請時期

・天災その他不可抗力による損害の負担

・瑕疵担保責任に関する定め

・取引物件に係る租税その他の公課の負担に関する定め

37条の任意的記載事項】

・代金等以外の金銭の額と目的・契約解除に関する事項

・損害賠償額等に関する事項

・金銭の貸借のあっせんの内容・ローン不成立のときの措置

・瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要

任意的記載事項とは

定めがあるときにだけ記載しなければならない事項(定められていないときは記載する必要はなし)

暗記のポイントは毎年試験に出るので、必ず覚えてください!

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