【宅建】過去問解説【法令上の制限】国土利用計画法・その他の規制

今回の宅建士になるための過去問解説は「国土利用計画法」についてです。

この国土利用計画法とは、地価の抑制と土地利用の適正化を図るための規制です。

国土利用に関する総合的な計画の策定や土地利用の規制に関する措置などを定めています。

宅建士試験では毎年「国土利用計画法」か「その他の法規制」のどちらか、または両方が出題されます。

ここで平成29年度の試験に出題された国土利用法の過去問題を解いてみましょう。

問題22

国土計画利用法によれば、市街化区域内の3,000㎡の土地を贈与により取得した者は、2週間以内に、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市にあっては、当該指定都市の長)に届出なければならない。

正しいか誤りか?

確実に得点源になる問題を正解できるように、本文で試験の要点をみていきましょう。

【宅建】過去問解説【法令上の制限】国土利用計画法・その他の規制

土地取引の規制の概要

国土利用計画法の土地取引の規制

・許可制

・届出制(事届出制と事届出制)

以前は、事前届け出制だったものが、現在は特段の区域の指定がなければ、届出制

しかし、地価の高騰が懸念される場合、注視区域または監視区域は「届出制」がとられる。

宅建士試験によく出題されるのが「届出制」の方である。

許可制

規制区域」に所在する土地について、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、都道府県知事(指定都市では市長)許可が必要。

規制区域は、投機的取引の集中、地価の急激な上昇等の要件に該当する区域について、都道府県知事等が5年以内の期間を定めて指定。

届け出制

規制区域以外区域では、全国にわたり一定規模以上の土地に関する土地売買等の契約について、都道府県知事等への届出が義務づけられている。

【一般の区域】・権利取得者が締結した日から2週間以内(契約してから)に行えば足りる(届出制

【注視区域または監視区域に指定された場合】

・当事者が契約締結に行う必要がある

「注視区域」と「監視区域」については、都道府県知事等5年以内の期間を定めて指定することができる。

注視区域

地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、または上昇するおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当。

監視区域

地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域(規制区域と指定された区域を除く)

・「注視区域」または「監視区域」に指定されると事前届出制が実施される・「規制区域」に指定されると許可制が実施される

土地売買等の契約とは

下記の3つを全て満たす場合は、

1)土地に関する権利

2)対価を得て

3)移転または設定する契約予約を含む

土地取引で許可または届出を要する「土地売買等の契約」になる。

土地に関する権利の移転または設定

土地に関する権利には、土地の所有権、地上権、賃借権のほか、これらの権利の取得を目的とする権利、例えば予約完結権・買戻権等が含まれる。

土地に関する含まれないもの

下記の権利は土地に関する権利に含まれない。

・地役権

・永小作権

・抵当権

・質権等

対価の授受

対価」は、必ずしも金銭に限らない。

交換」は金銭の授受がなくても、対価の授受があるものとして扱われる。

地上権」または「賃借権」を設定する場合の対価とは、権利金その他権利設定に伴う一時金として支払われるもの(権利設定の対価として支払われる金銭で、返還されないもの)。

これに対し「贈与」「信託」の引受けまたは終了等による権利の移転または設定は、対価の授受を伴わないので、「土地売買等の契約」に該当しない。

また、一時金の授受を伴わない「地上権」または「貸借権設定契約」は、「土地売買等の契約」に該当しない。

契約(予約も含む)

契約には、予約のほか、停止条件付・解除条件付の契約も含まれる。

また、売買に限らず、譲渡担保代物弁済交換等の契約をも含むものである。

【土地の売買等の契約に該当しない】

予約完結権、解除権、買戻権等の形成権の行使による権利の移転等は、契約によるものではないので、「土地売買等の契約」には該当しない。

相続、法人の合併等の包括承継、時効取得等の原始取得も同様である。

【試験のポイント】・形成権の行使は、土地売買等の契約に該当しないが、刑成権の譲渡は土地売買等の契約に該当する。

信託の引受け及び終了は、土地売買等の契約に該当しないが、受託者は信託財産である土地を売却する場合、当該売却は土地売買等の契約に該当する。

土地に関する権利の移転または設定後における利用目的等の届出

「事届出制」は宅建士試験に最も出題される箇所なので、例外も必ず覚えましょう!

届出制

規制区域、注視区域又は監視区域のいずれにも指定されていない区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち権利取得者は、その契約を締結した日から起算して2週間以内に、当該土地が所在する市町村の長を経由して都道府県知事等に届け出なければならない(法23条1項・2項2号)。

(参照:パーフェクト宅建「基本書」より)

例外(届出を要しない)

市街化区域 2,000㎡
市街化区域以外の都市計画区域
・市街化調整区域
・区域区分が定められていない都市計画区域
5,000㎡
都市計画区域の区域
・準都市計画区域
・都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域
10,000㎡

<注意点>

個々の契約の土地が上記の面積未満でも、権利取得者の「一団の土地」(合計した面積)が上記の面積以上になる)場合は、届出が必要になる。

届出を要しない権利取得者

1)分割した面積が届出が必要な面積を超えない場合

2)当事者の一方または双方が国、地方公共団体、その他政令で定める法人地方住宅供給公社等)の場合

3)民事調停法による調停

4)滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売

5)農地法3条1項の許可を受けることを要する場合

違反の場合

罰則:6ヶ月以下の懲役または、100万円以下の罰金

しかし、その契約の効力に影響がない(契約は有効

利用目的への勧告

都道府県知事は、届出があった日から起算して、原則として3週間以内に、その届出をした者に対し、土地の利用目的について必要な変更をすべきことを勧告することができる。

・事後届出制における勧告は、「土地の利用目的」に限られる。

事後届出にかかる土地の利用目的について都道府県知事から勧告を受けた者は、都道府県知事に対して、土地に関する権利を買い取ることを請求することができない。

買収請求ができるのは、許可制に基づく申請をして、不許可処分を受けた場合である。

勧告に従わない者の公表

都道府県知事は、勧告を受けた者が、その勧告に従わないときは、その旨及び勧告の内容を公表することができる。

勧告を無視しても契約の効力には影響なし(=有効

罰則も適用されない。

(・事届出制も公表の内容は同じ

注視区域・監視区域における土地に関する権利の移転等の届出

届出制

注視区域又は監視区域に所在する土地について、土地売買等の契約を締結する場合は、当事者は、当該土地が所在する市町村の長を経由して、あらかじめ、都道府県知事等に届け出なければならない。

(参照:パーフェクト宅建「基本書」より)

届出後に、下記のことを行えば、改めて届出をしなければならない。

1)予定対価の額を増額

2)土地の利用目的の変更

改めて届出をしなければならないのは、予定対価の額を増額するか、土地の利用目的を変更して契約を締結しようとするときである。

予定対価の額の「減額」だけをする場合は、改めて届出をする必要はない

これは禁止区域の「許可制」において、改めて許可を要するか否かについても同じ

届出制の例外

下記の場合は届出を要しない

1)次の面積未満の土地の契約を締結する場合

市街化区域 2,000㎡
市街化区域以外の都市計画区域
・市街化調整区域
・区域区分が定められていない都市計画区域
5,000㎡
都市計画区域の区域
・準都市計画区域
・都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域
10,000㎡

ただし、個々の契約に係る土地の面積が、上記の面積未満であっても、当事者の一方または双方が上記の面積以上の一段の土地については届出が必要。

土地に関する権利の移転や設定をする場合、

一団の土地については、それぞれの契約について、予め届出をする必要がある。

(事届出制の場合に必要でない場合でも、分割する前はそれぞれの両者の届出が必要)

違反の場合

・事前届けも事後届出も同じ

罰則:6ヶ月以下の懲役または、100万円以下の罰金

しかし、その契約の効力に影響がない(契約は有効

契約締結の禁止

届出をした者は、届出をした日から起算して6週間は、契約を締結してなならない。

ただし、勧告または不勧告の通知を受けた場合は、この間でも契約を締結できる

土地に関する権利の移転等の許可

規制区域の土地について、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、当事者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
(参照:パーフェクト宅建「基本書」より)

届出後に、下記のことを行えば、改めて許可を受けなければならない。

1)予定対価の額を増額

2)土地の利用目的の変更

許可が必要ない例外

1)民事調停法による調停

2)滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売

3)農地法3条1項の許可を受けることを要する場合

【試験のポイント】許可制では、一定規模未満の土地についての契約を許可不要とする規定はない

許可の違反の場合

その契約は効力を生じない(=無効

罰則:3年以下の懲役、または200万円以下の罰金が適用される。

【宅建】過去問解説のまとめ:国土利用計画法

国土利用計画法はいかがでしたか?

事前と事後の届出制、また規制区域の許可制との違いをおさえて下さい。

過去問題の解説

平成29年度 問題22

(2)国土計画利用法によれば、市街化区域内の3,000㎡の土地を贈与により取得した者は、2週間以内に、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市にあっては、当該指定都市の長)に届出なければならない。

正しいか誤りか?

解答:誤り

市街化区域内2,000㎡以上の土地の売買契約等を締結する場合には、その契約を締結した日から2週間以内に都道府県知事に届出をしなければならないが、贈与により取得する場合には、届出は不要である。

(参照:【平成29年 問22項2】過去問解説より)

宅建の科目別の勉強法!カリスマ講師達が教える合格の学習法とは?

テキストを探している人は、【宅建テキスト2020】独学におすすめは?人気の出版社別4シリーズを徹底比較!

過去問攻略が合格の鍵

【宅建】過去問おすすめ勉強法と問題集!私は過去問攻略で1ヶ月で合格した

 

通信講座の費用を安くしたい人は

フォーサイトの教育給付金制度で受講料が20%戻った申請方法と注意点

独学で悩んでいる人は、効率よく宅建対策ができる通信講座もおすすめです。

宅建士の合格者がおすすめの合格率の高い宅建【スタディング:STUDYing】、 宅建【フォーサイト】【ユーキャン】などあります。

通信講座を比較したい時は、「宅建合格のコツがわかる無料の体験講座」を試すと宅建試験のポイントがよくわかります!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加