宅建の過去問解説:説明・告知義務「通常取引の場合・取引条件に関する事項」

今回の「説明・告知義務」の2回目は、前回の1回目の記事「重要事項の説明35条、通常取引」の続きです。

1回目は「a . 取引物件に関する事項の続き」の(5)番目までを説明しました。

2回目は、6)「取引の対象となる建物がマンション棟の区分所有建物の場合」から説明します。

下記は、平成29年度宅建士試験で出題された問題です。

問題41 正しいか誤りか?

1)区分所有建物の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあっては、その商号又は名称)及び住所(法人にあっては、その主たる事務所の所在地)を説明しなければならない。

2)土地の売買の媒介を行う場合、移転登記の申請時期の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。

3)住宅の売買の媒介を行う場合、宅地内のガス配管設備等に関して、当該住宅の売買後においても当該ガス配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売業者にあるものとするときは、その旨を説明する必要がある。

区分所有建物の重要事項説明、取引条件に関する事項などは、宅建士試験に最も出題される部分です。

1回目と同様、しっかりと覚えていきましょう!

宅建の過去問解説:説明・告知義務「通常取引の場合・取引条件に関する事項」

説明事項 :「通常取引の場合」取引物件に関する事項

区分所有建物に関する注意事項

【マンション棟の区分所有建物の場合】

当該1棟の建物・その敷地に関する権利、これらの管理・使用に関する事項で、契約内容の別に応じて国土交通省令等で定めた説明すべき重要事項がある

【規約・案が定まっていない時は説明不要な事項】

・共用部分、専有部分の用途等、

・専用使用権

・特定の者にのみ費用を減免するとき

・計画修繕積立金

賃貸借以外と賃貸の場合の契約

区分所有建物の場合、重要事項の説明の対象になるのは、賃貸借と賃貸借以外の契約の2種類がある

【区分所有建物の賃貸借以外の契約の場合】

(イ)敷地に関する権利関係 内容・種類

(ロ)共用部分の規約
(ハ)専有部分の用途制限等に関する規約
(二)専用使用権に関する規約
(ホ)特定の者に対する管理費用等の減免の規約
(へ)計画修繕積立金等に関する規約

規約の内容
(ト)維持修繕の実施状況の記録  記録の内容
(チ)通常の管理費用
(リ)管理の委託先 氏名・住所

*(ロ)〜(へ): を含む(へ)は既存積立額も説明事項となる

*(チ)(リ): 管理の内容は説明事項ではない

【区分所有建物の賃貸借の契約の場合】

・専有部分の用途

・その他の利用制限に関する規約の定め

・管理の委託先の氏名・住所のみ

専有部分の用途・利用制限に関する規約の定め

例)「専有部分は居住用に限る」やペットの飼育、ピアノの使用、フローリング工事の禁止・制限が含まれる。

専用使用権とは

例)専用庭やバルコニー、専用駐車場

上記に関する規定の定めがあるときは、その内容(専用使用できる範囲、専用使用料の有無、有料の場合はその帰属先)を説明できればよい。

使用者の氏名や住所を説明しなくてもよい

説明すべき「通常の管理費用」とは

区分所有者が月々に負担する経常的経費のこと。

大規模修繕積立金や計画修繕積立金に充当される経費は含まれない。

また、計画修繕積立金等の積立てを行う旨の規定の定め(案を含む)があるときは、その内容及び既に積み立てられている額(滞納額を含む)について説明しなければならない。

管理が委託されているとき

委託を受けている者の氏名及び住所(法人の場合は、商号または名称、主たる事務所の所在地)を説明しなければならない。

しかし、委託されている管理の内容まで説明する必要はない。

なお、管理者が賃貸住宅管理業者登録を受けている場合は、その登録番号を記載し、その旨を説明しなければならない。

既存建物である場合

イ)建物状況調査を実施しているかどうか及びこれを実施している場合におけるその結果の概要

ロ)設計図書、点検記録その他の建築及び維持保全の状況に関する書類。

国土交通省令で定めるものの保存状況(法35条1項6号の2)

・建物状況調査は、実施後1年を経過していないこと

・建築及び維持保全の状況に関する書類は、建築基準法における確認済証、検査済証、住宅品確法における住宅性能評価書等を指す。

b. 取引条件に関する事項

代金、借賃の額と授受の目的

代金・借賃の額等法35条に定める重要事項ではない

しかし、代金、借賃以外に授受される金銭(手付金、敷金、権利金、礼金、保証金等)の額と目的は、重要事項として説明しなければならない。

なお、代金以外に授受される金銭については額と授受の目的を説明すればよく、保管方法については説明を要しない。

手付金等の保全措置

宅建業者自ら売主となる場合に限って、説明が必要となるが、宅建業者が保全措置を講じないときは、その旨を説明しなければならない。

支払金・預り金とならないもの

宅建業者が相手方から宅地建物取引に関して金銭を受領しても支払金・預り金にならないもの。

50万円未満・法41条2により保全措置の講じられている手付金

・登記以後に受領するもの

・報酬

宅地建物の瑕疵担保責任の履行に関する措置とは

当該責任の履行に関する保証保険契約または責任保険契約の締結。

建物の瑕疵を担保するべき責任の履行に関し保証保険契約の締結を行うときは、その措置の概要を説明しなければならない。

【国土交通省令で定める事項】

(イ)造成宅地防災区域内(ロ)土砂災害警戒区域内

(ハ)津波災害警戒区域内

(二)石綿の使用の有無の調査の結果

(ホ)耐震改修促進法の耐震診断の結果

(へ)住宅性能評価を受けた旨を説明しなければならない新築住宅

瑕疵担保責任の履行に関する保証保険契約

【上記まとめ】    〇:適用、  ×:不適用

適用 (イ) (ロ) (ハ) (二) (ホ) (へ)
宅地 (売買・交換) × × ×
宅地  (貸借) × × ×
建物 (売買・交換) 〇(新築住宅)
建物  (貸借) ×

貸借契約の重要事項(宅地と建物の異同)

建物の貸借の場合は、「契約終了時の建物の取壊しに関する事項」のほか、法令上の制限の中の建蔽率・容積率に関する制限等や、私道の負担は、説明事項とされない

貸借代理、媒介をした宅建業者は、宅地の貸借が定期借地権であるときは「定期借地権」である旨(建物譲渡特約付借地権や事業用定期借地権等を除く)を説明しなければならない。

また、建物の貸借が定期建物賃貸借であるときは、家主が借主にその旨を、書面を交付して説明した場合でも、改めて「定期建物賃貸借である旨」を説明しなければならない。

* 賃借人の権限に属しないことによる制限(例)増改築の禁止、内装工事の禁止等は説明事項とされない。

宅建過去問まとめ:説明・告知義務(2)

以上、「区分所有の建物の重要説明事項」や「取引条件に関する事項」はいかがでしたか?

序文の問題の解答です。

1)正しい

区分所有建物の売買の場合、管理の委託先の氏名・住所は、重要事項の説明の対象となる(宅地建物取引業法35条1項6号、施行規則16条の2第8号)。

2)誤り

移転登記の申請の時期は、37条書面の記載事項であるが(同法37条1項5号)、重要事項の説明の対象ではない。
したがって、移転登記の申請の時期の定めがあるときでも、その内容を説明する必要はない。

3)正しい。

飲用水・電気・ガスの供給並びに排水のための施設の整備状況は、重要事項の説明の対象である(同法35条1項4号)。

(参照:【平成29年 問41項1、2、3】過去問解説より)

次の「説明・告知義務3」は、「割賦販売の場合」「供託所に関する説明」と「重大な事実の不告知等の禁止」についてです。

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