今回の宅建士になるための宅建業法の過去問対策は、前回の記事「営業保証金制度2」と関連する「保証協会の指定・業務・加入」についてです。
宅建業保証協会とは、宅建業者を社員とする一般社団法人です。
1,000万の営業保証金が供託できない宅建業者の負担を軽減し、集団保証で消費者を保護する目的があります。
ここで、平成28年度の宅建士の試験問題です。
問題31
保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であり、一の保証協会の社員となった後に、宅地建物取引業に関し取引をした者の保護を目的として、重ねて他の保証協会の社員になることができる。
正解か誤りか?
この保証協会制度は、仕組みと要点を覚えれば簡単に点が取れます。
続きは本文で!
宅建業者として独立しても、営業保証金が支払えない場合は、保証協会に加入する必要があります。
どんな業務内容が必須で任意か?など解説を読んで、しっかり理解してください。
Contents
保証協会の意義・指定
保険協会とは、宅地建物取引業者のみを社員とする一般社団法人で、国土交通大臣が指定したものをいう
(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)
* 注意
・一般社団法人で一般財団法人ではない。
・宅建業者以外は保証協会には加入できない。
保証協会の業務
必須業務 必ず行わなければならない業務 |
① 取引に関する苦情の解決 ② 宅建士等に関する研修の実施 ③ 弁済業務(宅建業者を除く) |
---|---|
任意業務 あらかじめ国土交通大臣の承認を 受けて行うことができる業務 |
① 一般保証業務 ② 手付金等保管事業 ③ 一般社団法人に対する研修の実施費用の助成 ④ 宅建業の健全な発達を図るために必要な業務 |
弁済業務と一般業務の違い
業務の違い
・弁済業務 ⇒ 必須業務
・一般保証業務 ⇒ 任意業務
弁済業務とは
対象:宅建業者と宅建業に関し取引した者(社員となる前に取引した者も含む)
取引により生じた債権に対して弁済を行う業務
一般保証業務とは
社員である宅建業者との契約により、その業者が受領した支払金または預り金の返還債務等について、その債務を連帯する業務
* 注意
一般保証業務及び手付金保管事業は、社員である宅建業者との契約に基づいて行う。
苦情の解決とは
宅建業者の相手方から宅地建物取引に関する苦情があった場合は、保証協会は、相談・助言・調査をすると共に、社員に対して苦情の内容を通知し迅速な処理を求める。
また、保証協会は苦情の申し出・その解決結果を社員に周知させる義務がある。
研修の対象は、宅建業に従事している者に限られるか?
研修の対象は宅建業に従事する人以外でも受けられる
宅建士及び宅建業の業務に従事している人以外に、これから従事しようとする者に対しても行うことができる。
* 注意
法22条の2宅建士証の交付を受けるための法定講習は、代わりにならない。
保証協会への加入
宅建業者の保証協会への加入は任意であるが、一つの保証協会にしか加入できない。
「二重加入の禁止」
保証協会は、社員が加入した場合(または社員の地位を失った場合)は直ちに、その旨をその社員の宅建士が免許を受けた免許権者に報告しないければならない。
免許権者(国土交通大臣か都道府県知事)
営業供託金の義務を免れる
また宅建業者が保証協会の社員になった場合は、その保証協会の弁済業務開始日以降は、営業保証金を供託する義務を免れる。
供託していた営業保証金は、公告の手続きをとらないで直ちに取り戻すことができる。
* 注意
社員になっても、営業保証金供託義務は免除されるが、手付金等の保全義務の免除はない。
【担保の提供】
保証協会は、以前に損害を与えた社員の場合は、加入する前に担保の提供を求めることができる
【社員の義務】
・弁済業務保証金分担金の納付
・還付充当金の納付
・特別弁済業務保証金分担金の納付
宅建過去問まとめ:保証協会の指定・業務・加入
今回の過去問解説「保証協会の指定・業務・加入」はいかがでしたか?
弁済業務と一般保証業務の違いなどは、整理できましたか?
序文の問題の解答です。
誤り
保証協会に加入することは宅建業者の任意であるが、一の保証協会の社員となった後に、重ねて他の保証協会の社員となることはできない(宅地建物取引業法64条の4第1項)。
(参照:【平成28年 問31項1】過去問解説より)
「二重加入」は禁止!
暗記のポイント「保証協会の指定・業務・加入」
・保証協会は、宅建業者のみを社員とする一般社団法人である・保証協会の必須業務:イ)苦情の解決、ロ)研修、ハ)弁済業務(宅建業者を除く)
・保証協会の任意業務:イ)一般保証業務、ロ)手付金等保管事業、ハ)研修の実施費用の助成、二)宅建業の健全な発達を図るために必要な業務
・宅建業者の保証協会の加入は任意だが、1つの保証協会の社員にしかなれない。
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