今回の宅建士になるための過去問解説は、「法令上の制限」である「都市計画の決定」についてです。
「都市計画の決定」とは、簡単に説明すると都市計画区域を指定した後で、計画を決定していくプロセスのことです。
その後で、周辺の人に案を提示していく手続き、そこで許可などの規制がかかります。
ここで平成28年度に出題された都市計画の内容の過去問を解いてみましょう。
問題16
1)市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者も定めなければならない。
2)準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。
上記の2つの問題は正しいか誤りか?
本文では、開発許可制度の要点をおさえていきましょう。
Contents
【宅建】過去問解説:都市計画を定める者
都道府県が定める |
規模が大きいもの 広域的見地、根幹的な施設等 |
---|---|
市町村が定める | 小さいもの(上記以外のもの) |
2つ以上の都府県の区域にわたる都市計画区域では、「国土交通大臣」及び「市町村」が定める。
原則 | 都市計画は、都道府県が定める |
---|---|
例外 | 2つ以上の都府県の区域にわたる都市計画区域に関わる都市計画は 国土交通大臣及び市町村が定める |
表「都道府県と市町村が定める都市計画」
都道府県(国土交通大臣) が定める都市計画 |
市町村が定める都市計画 |
---|---|
・都市計画区域の整備 ・区域区分 ・都市再開発方針等 |
・促進区域 ・遊休土地転換利用促進地区 ・被災市街地復興促進地域 ・地区計画等 |
「地域地区」「都市施設」「市街地開発事業」及び「市街地開発事業等予定区域」については、その種類等に応じて、都道府県(国土交通大臣)または市町村が定める。
【市街地開発事業等予定地区】
都道府県(国土交通大臣) が定める都市計画 |
市町村が定める都市計画 |
---|---|
・一団地の官公庁施設の予定区域 ・流通業務団地の予定区域 |
・区域の面積が20ha以上の 一団地の住宅施設の予定区域 |
市町村と都道府県が定めた都市計画が抵触した場合
都道府県が定めた都市計画が優先する。
都市計画の決定手続き
公聴会の開催
都道府県または市町村は、都市計画の案を作成しようとする場合、必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずる(法16条1項)
(参照:「パーフェクト宅建基本書」 より)
(無いときは公聴会は開かない)
地区計画等の案は、一定の事項について、その案に係る区域内の土地の所有者等の利害関係を有する者の意見を求めて作成する。
都市計画の案の縦覧等
都市計画を決定しようとする時は、その旨を公告し、当該都市計画の案を、決定理由を記載した書面を添えてその旨を公告する。
公告の日から2週間、公衆に縦覧しなければならない。
関係市町村の住民及び利害関係人は、縦覧に供された都市計画の案について、縦覧期間満了の日までに、意見書を提出することができる。
注意:公聴会は必要があると認めるときに開催すればよいが、都市計画の案の縦覧手続きは、必ず行わなければならない。
都市計画の決定
都道府県の場合 |
1)関係市町村の意見を聴く、都道府県都市計画審議会の議を経て決定。 2)一定の都市計画は、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。 |
---|---|
市町村の場合 |
1)市町村都市計画審議会(当該市町村に置かれていない場合は、都道府県都市計画審議会)の議を経て決定。 2)あらかじめ都道府県知事に協議し、町村にあっては都道府県知事の同意 |
*注意:国土交通大臣に協議し、その同意の意味は、許可ではない。
*注意:市町村の場合
都道府県知事に協議し、その同意(許可ではない)町村(市ではない)にあたっては都道府県知事の同意が必要(市町村は都道府県知事の同意は必要はない。)
都市計画の告示等
都市計画は、この告示があった日から、その効力を生じる
(計画段階から生じるのではない。)
都市計画の決定 → 告示 → 図書の縦覧
都市計画の図書の縦覧
都市計画の図書 (総括図、計画図及び計画書)
公衆の縦覧に供しなければならない。
都市計画の決定等の提案
提案することができる都市計画の範囲
提案対象は下記以外の都市計画となる
・都市計画区域の整備
・開発及び保全の方針
・都市再開発方針等
提案制度の概要
その土地に所有権を持つ人だけでなく、借地権を持っている人も対象となる。
素案の対象となる土地の区域内の土地の所有者等の2分の3以上の同意が必要。
(同意した所有者の地積と同意した借地権者の借地の地積との合計が、その区域内の土地の総地積と借地の総地積との合計の2分の3以上となる場合に限る)
【宅建】過去問解説まとめ:都市計画の決定
「都市計画の決定」はいかがですか?
都市計画法は、覚えることが多いので、流れを把握すると覚えやすいです。
序文の問題の解説です。
問題28
1)正しい。
市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者を定めなければならない。
なお、その施行予定者は、市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた施行予定者でなければならない。
2)誤り。
準都市計画区域については、都市計画に防火地域・準防火地域を定めることはできない。
準都市計画区域について、都市計画を定めることができる地域地区は、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、景観地区、風致地区、緑地保全地域、伝統的建造物群保存地区の8つのみである。
(参照:【平成28年 問16項1、2】過去問解説より)
次の宅建士になるための過去問解説は「開発許可制度」についてです。
宅建士試験に毎年、出題される重要な箇所なので、しっかり学習していきましょう!
宅建の科目別の勉強法!カリスマ講師達が教える合格の学習法とは?
テキストを探している人は、【宅建テキスト2021】独学におすすめは?人気の出版社別4シリーズを徹底比較!
過去問攻略が合格の鍵
【宅建】過去問おすすめ勉強法と問題集!私は過去問攻略で1ヶ月で合格した
通信講座の費用を安くしたい人は
フォーサイトの教育給付金制度で受講料が20%戻った申請方法と注意点
独学で悩んでいる人は、効率よく宅建対策ができる通信講座もおすすめです。
通信講座「宅建合格のコツがわかる無料の体験講座べスト5」で、宅建試験の攻略ポイントがわかります!
宅建合格者がおすすめの合格率の高い宅建【スタディング:STUDYing】、 宅建【フォーサイト】や【ユーキャン】なども見逃せません。