宅建の参考書、問題集でベストセラーを連発し絶好調なのが、TAC(タック)です。
TAC(タック)は、宅建や公認会計士、司法試験などで合格実績がある資格予備校です。
なぜTACの宅建テキストシリーズが人気なのか?
宅建合格者の私が、どこよりも詳しくTACのテキストを分析した感想とレビューをご紹介します。
Contents
「みんなが欲しかった宅建」テキストと問題集:TAC
タック(TAC)で最も人気があるテキストは、「みんなが欲しかった宅建」シリーズ(滝澤ななみ著)です。
Amazonの宅建の参考書の人気ランキングには、このシリーズが常に上位にランクインしています。
「みんなが欲しかった宅建士の教科書」は、試験の4科目の基本知識を学ぶテキストです。
こちらのシリーズの問題集「みんなが欲しかった宅建士の問題集」は本試験の問題を肢ごとに論点別に解説してくれていて、「宅建士の教科書」と内容がリンクしています。
この2冊をセットで買う人は多く、2冊の売上は常に上位です。
他にも過去問ばかりを集めた「宅建士の12年過去問題集」もあります。
これら3冊は、本屋でも一緒に並べてあり、セット買いが推奨されています。
(タック(TAC)の「みんなが欲しかった宅建」シリーズ)
上記の写真を見てわかるように、このシリーズの本はどれも厚みがあり、3冊全部を網羅するとなると結構な分量になります。
私も本屋で手に取った時は、分厚さに圧倒されました。
「みんなが欲しかった宅建」シリーズの共通の特徴
厚みのある参考書ですが、実は3冊とも持ち運びしやすいように作られています。
「問題集」と「教科書」は分野別に分割できます。(3分冊にすることが可能)
12年過去問題集であれば、問題と解説の2分割できます。
(分割の製本法は、テキストに掲載。)
本の始めのページには、TACが独学の受験生向けに主催する「答練パック」や「直前模試」の広告が載せられています。
独学から、短期講座や模試へ誘導するビジネスモデルです。
- 書籍の購入特典として、お得な無料サービスが受けらる
- 書籍のコードを入力すれば、昨年度の 本試験問題&解説がダウンロードできる
- 最新の統計資料や練習問題も試験直前の夏にWEBで公開:無料閲覧が可能
「みんなが欲しかった」というネーミングも上手いですね。
これらのシリーズは、初めて宅建士の試験勉強をするという方にも親しみやすく、試験勉強を始めてみようかと感じさせる魅力があります。
特に「宅建士の教科書」と「宅建士の問題集」はフルカラーで見やすく、視覚情報も多いため、大人気な理由も納得です。
「みんなが欲しかった宅建士の教科書」の感想
この参考書の特徴は、一目でわかりやすい フルカラー図解のテキストです。
文字が多く論理的に理解していくというよりは、イメージ、感覚的に理解させる事に力を入れています。
赤シートもあり、重要項目をシートで隠して暗記できます。
書名 | ★みんなが欲しかった! 宅建士の教科書 [スマホ学習対応(例題・一問一答付)] | |
価格 | 定価 3,300円(税込) | |
ページ数 | P 656 | |
特徴 |
・フルカラー図解が多くビジュアル重視 ・わかりやすさ重視のボリューム大の解説 ・「基本編」と「参考編」に編集 |
このテキストは「1. 宅建業法」「2. 権利関係」「3. 法令上の制限と税その他」の3分野の順番で編集されています。
どの分野も「基本編」が載っており、テキストの大部分を占めますが、最後に「参考編」があります。
この「 参考編」は、受験生が混乱しやすい単元が整理されています。
例えば、権利関係は「抵当権」と「根抵当権」の違い。
法令上の制限は「地区整備計画」など難解な単元が、簡潔にまとめられています。
これらの分野は難しいで、初心者は敬遠しがちですが、 出題率が高いので要チェックです。
難易度が高くても、毎年出題されている問題が解けると、他の受験生よりも有利になります。
このテキストは「魔法のようにスラスラとよくわかるテキスト」いう事を売りにしていますが、それは少し誇張し過ぎだと感じます。
確かに実際に目を通すと、他の宅建テキストに比べて親しみやすく理解しやすいです。
しかし、テキストを読んでいるだけでは、絶対に問題が解けるようにはなりません!
試験の出題ポイントは絞られていますが、暗記が必要な重要事項は沢山あります。
暗記する作業はテキストを読むだけではなく、アウトプットの作業が無いと記憶に残りません。
この本が薦めている勉強法は、「テキスト」を何度か読んでから「問題集」を解くですが、試験までの勉強時間に余裕がある人しか使えない勉強法です。
テキストを何度も読むのは時間がかかります。
直ぐに問題文を解いて、理解できない箇所をテキストで重点的に確認する方が早く頭に入ります。
ただ、初心者にも親しみやすい内容なので、基本書として学ぶテキストとしては、おすすめです。
無料特典として、スマホ学習に対応に使える例題・一問一答も付いています。
独学の人は、特典を積極的に利用すると点数は伸びると思います。
「みんなが欲しかった宅建士の問題集」の感想
内容は「宅建士の教科書」と学習の順番なども完全リンクしています。
この本は「1. 宅建業法」「2. 権利関係」「3. 法令上の制限と税その他」の3分野の順番で編集されています。
単元ごとにそれぞれ論点別の過去問題と解説がついています。
書名 | ★「2023年度版 みんなが欲しかった宅建士の問題集」 | |
価格 | 定価 2,750円(税込) | |
ページ数 | P 668 | |
特徴 |
・「論点別過去問」+「最新過去問」 ・重要事項「ちょっと確認! 」と「プラスワン」で得点アップ |
「みんなが欲しかった宅建士の教科書」と 一緒に併用して使うと効果が上がりそうです。
さらに無料特典として、試験の解き方がバッチリわかる講義動画も付いています。
私の第一印象は、解説文が短く初心者でも理解しやすい所が良いと感じました。
特に問題文の解説が整理されていて読みやすいです。
「本試験で出題されやすい要点」をシンプルに解説に補足してくれています。
解説を理解できない事が、独学をする受験生の1番の悩みです。
ただ、この問題集の解説は、初学者でも理解しやすい分かりやすい内容なので負担になりません。
特に「ちょっと確認」の解説は、要点をコンパクトにまとめてあります。
これだけを覚えるだけでも過去問を解く基礎力は身につきます。
ただ、過去問題集の実践としては、問題の演習量が少ないです。
この問題集だけでは、合格点に達しない気もします。
また、解説が短めのため、長い解説文で細かな説明が欲しい人には、向かないかもしれません。
「みんなが欲しかった宅建士の12年過去問題集」の感想
「12年過去問題集」の特徴は、過去問題が難易度が低い順から掲載され、年度ごとではなく、難易度順になっているところです。
通常の過去問題集の掲載の順番は年度順が一般的なため、「最新問題」が最初に編集されています。
しかし、本書では合格基準点が高い年度から掲載されてるため、「令和4年」「令和2年」「平成30年度」と続きます。
難易度が易しい年度の過去問から徐々に難易度が高い過去問題を練習できるように編集されているのが特徴的です。
書名 | ★「2023年度版 みんなが欲しかった宅建士の問題集」 | |
価格 | 定価 2,860円(税込) | |
ページ数 | P 944 | |
特徴 |
・過去12年間を難易度が低い順に編集。 ・最新法改正にも完全対応 ・シンプルな解説。結論を先に示す |
宅建士試験を経験した者としては、この問題集の難易度順の編集が、必ずしも良いとは感じません。
難易度順の掲載の狙いは、初心者の勉強の敷居を下げる事だと思いますが、合格基準点が高いからといって、必ずしも難易度が低いとは限りません。
合格基準点の幅は31点~38点ほどですが、年度ごとにそこまで大きな難易度の差はないので、ランダムな掲載は、私はかえって使いにくいと感じました。
それより最新年度から過去8年間に出題された過去問題を重点的に学習する方が、出題率が高い問題もカバーできるので無駄がありません。
宅建士のカリスマ講師の中には、時間の無い受験生は、過去8年分の問題だけをしっかりするように薦める人もいます。
12年間分は、完全にやりきれれば安心ですが、時間が無い人にとっては負担になります。
解説に関しては、短くよくまとまっています。
しかし、人によっては少し説明不足と感じるかもしれません。
この過去問題集は、私の場合は、独学する人におすすめしないと思います。
ただ、これもあくまで私の主観なので、人によって受ける印象や感覚は違います。
読んでみて、この過去問題集がぴったりくる人は、購入しても問題は無いと思います。
「みんなが欲しかった宅建士」シリーズの総合評価
上記で紹介した3冊の要点と価格をまとめました。
【みんなが欲しかった宅建士シリーズの比較】
著書名 | みんなが欲しかった!宅建士の教科書 |
内容と特徴 | ・「1. 宅建業法」「2. 権利関係」「3. 法令上の制限と税その他」の3分冊構成 ・こだわりのフルカラー図解 ・シンプルで読みやすい文章 |
評価 |
著書名 | みんなが欲しかった問題集 |
内容と特徴 | ・「論点別過去問」+「最新過去問」&きめ細かい肢別解説で構成 ・「プラスワン」で知識を補い、応用力を強化 ・「これはどう?」「Step Up」で別の角度から問題を見直し、周辺知識をプラス |
評価 |
著書名 | みんなが欲しかった12年問題集 |
内容と特徴 | ・最新年度を含む12年分の過去問を収録 ・年度別に合格基準点が高い順=やさしい順に掲載 |
評価 |
「宅建士の教科書」は、図解やイラストが多いテキストを使いたい人に、おすすめです。
科目ごとに分割して使用できるのも、持ち運びに便利です。
3冊全部を買う人も多いです。
他社のフルカラーの宅建テキストとの比較
「みんなが欲しかった! 宅建士の教科書」シリーズの特徴の一つはフルカラーの図解テキストですが、他社からも図解テキストの宅建テキストが出版されています。
例えば、家坂講師の「史上最強の宅建士」やKENビジネススクールの「受かるぞ宅建士」などです。
カラー印刷の技術はどこの出版社も大きな差はありません。
ただ、解説の仕方や編集方法にそれぞれ個性があります。
その中でもTACシリーズは、初心者向けに最も親しみやすさを狙っている印象があります。
シンプルで分かりやすい文章も特徴的なので、初学者には向いていると思います。
「スッキリ宅建士」中村 喜久夫著 テキストと問題集
この「すっきりわかる宅建士」シリーズは、宅建の初心者の受験生に根強い人気です。
上記で紹介した「みんなが欲しかった宅建の教科書」よりもイラストが多くなっています。
「スッキリわかる宅建士」テキスト+過去問テストの感想
この参考書は「テキスト」と「過去問題集」が一体化しています。
合格に必要な勉強量を最低限に絞った内容で構成されています。
過去問の演習は、過去15年から選んだ問題が掲載。
2019年度から更にパワーアップして、「宅建ワールド攻略チャート」がついています。
各科目ごとに巻頭にカラーで全体像をイラストで紹介しています。
初心者でも親しみやすいのでイチオシです。
ただ、このイラストが好みでない方にはおすすめはできません。
引用:TAC出版書籍サイト
著者の中村喜久夫氏は、全国各地で、宅建協会の研修を行うほど実績のある講師です。
リクルート住まいカンパニーで新人研修も担当されているので、初心者向けに教えるのが上手です。
このテキストだけで合格できるとは断言できませんが、初心者の導入編には最適です。
最短時間で「テキストで大筋をつかみ過去問演習をする」ことができます。
時間がない人にとっても、一冊では過去問も解くことができるので、アウトプット学習も無理なくできます。
「スッキリとける宅建士 過去問コンプリート12」の感想
上記の「スッキリわかる宅建士」だけでは物足りない、
しっかりと過去問を勉強したいという要望から生まれた問題集です。
宅建試験の過去11年分が科目別(4冊)に編集。
(1)宅建業法(2)法令上の制限(3)権利関係(4)その他
5分冊目には、最新本試験の問題が掲載されています。