【宅建】過去問解説【税・その他】地価公示法

テスト

今回の宅建士になるための過去問対策「税・その他」は、「地価公示法」についてです。

とは、客観的な市場価格を正常価格として定期的に公示するという地価公示制度を規定しているのが「地価公示法」である。

ここで平成29年度の宅建試験で出題された過去問題を解いてみましょう。

問題25

地価公示法に関する次の記述のうち正しいものはどれか?

1)土地鑑定員会は、標準値の単位面積当たりの価格及び当該標準値の前回の公示価格からの変化率等一定の事項を官報により公示しなければならないとされている。

2)土地鑑定員会は、公示区域内の標準値について、毎年2回、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、zその結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日における当該標準値の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものとされている。

3)標準地は、土地鑑定員会が、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常であると認められる一団の土地について選定するものとされている。

4)土地の取引を行う者は、取引の対象となる土地が標準地である場合には、当該標準池について公示された価格により取引を行う義務を有する。

この地価公示法は、条文数も少なく、出題も決まっているので確実に得点源となります。

しかし、問題の難易度が高い「不動産鑑定評価基準」とのいずれかが出題される形式なので、両方を整理して覚えるとよいです。

【宅建】過去問解説【税・その他】地価公示法

【宅建】過去問解説:地価公示法の目的

地価公示法を基準にするのは、一般の土地取引では、努力義務とされている。

土地の価格は一物四価(1つの土地に4つの価格の出し方がある)

・「公示価格」

・「基準地価価格」

・「固定資産税評価額」:市町村

・「相続税路線価」

地価公示法の公示価格は、この4つの価格の出し方のうちの1つである。

宅建試験【税・その他】に出題されるポイント

1)一定の地域において土地の取引を行う者は、公示された価格を指標として取引を行うように努めなければならない。

(努力目標であって強制されていない!)

2)地価公示は、土地鑑定委員会が都市計画区域その他の一定の区域(公示区域)内の標準地を選定し、これについて毎年1回、鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って一定の基準日における標準値の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示する。

・「一定の基準日」とは1月1日

・公示される事項には標準地についてのもののほか、その周辺の土地の利用の状況も含まれる。

ただし、周辺の土地の取引価格に関する情報は公示しない

3)「正常な価格」とは、建物等の定着物及び土地の使用収益を制約する権利の存しないものとしての土地の価格である。

・「これらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格」とは、「更地価格」(家などが建っていない状態)のことである。

4)「標準地」は、一定の要件を満たす「一団の土地」について選定する。

5)標準地の鑑定評価は比準価格・収益価格・積算価格の三者を勘案して行う。

6)土地鑑定委員会は、公示にかかる事項を記載した書面等を関係市町村の長に対して送付しなければならない。(都道府県知事ではない!)

・土地鑑定委員会は、委員7人をもって組織する。

・土地鑑定委員会が置かれているのは国土交通省である。

7)公示価格は、公示区域内の土地についての、鑑定評価・公共事業用地の任意買収・土地収用の各場合に、基準とすべきものとしての効力がある。

8)国・地方公共団体等が民間に国・公有地を売却する際には、上記(1)の努力義務はあるが、同(7)の基準義務はない。

問題の解答と解説

平成29年度 問題25:正解は3

1)誤り

土地鑑定員会は、標準池の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、すみやかに、一定の事項を官報により公示しなければならない。

当該事項には、当該標準池の前回の公示価格からの変化率は含まれていない(地価公示法)。

2)誤り

土地鑑定員会は、公示区域内の標準地について、毎年1回(2回ではない)、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものとされている。

3)正しい

標準地は、土地鑑定委員会が、国土交通省令で定めるところにより、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定するものとされている。

4)誤り

都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行う者は、取引対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行うよう努めなければならない。

取引の対象となる土地が標準地である場合でも、当該標準地について公示された価格により取引を行う義務は有しない

(引用:パーフェクト宅建「過去問10年間」【平成29年 問25】過去問解説より)

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