宅建士の過去問解説【宅建業法】業務 ―割賦販売に関する規制

今回の宅建士になるための過去問解説は、前回の「業者自ら売主となる場合の規制(3)の続きです。

「8種制限」のうちの2つ「割賦販売に関する規制」とそれに伴う「所有権の留保等が禁止」について解説します。

割賦販売とは、売買代金の支払いを分割して支払うことを条件とした販売方式です。

住宅ローンなどがこれに含まれます。

宅地や建物の割賦販売の場合は、通常の割賦販売よりも支払期間が長くなります。

そこで買主の利益を保護するために契約の解除に制限が加えられる他、所有権の留保等が禁止されています。

ここで、平成28年度の宅建士試験で出題された割賦販売の問題を解いてみましょう。

問題29 エ

Aは、自ら売主となるマンションの割賦販売の契約について、宅地建物取引業者でない買主から賦払金が支払期日までに支払われなかったので、直ちに賦払金の支払の遅延を理由として契約を解除した。

宅地建物取引業法の規約に違反する。

正しいか誤りか?

住宅を購入するときはローンを組む人がほとんどです。

宅建士試験の対策だけでなく、宅建業法の知識を身につけることは、将来、自宅を購入するときにも役立ちますので、ぜひ、読んでみてください!

宅建士の過去問解説【宅建業法】業務 ―割賦販売に関する規制

宅建過去問;業務 ―割賦販売に関する規制

割賦販売の定義、割賦販売契約の解除等の制限、所有権留保等の禁止などは、わかりにくいので、先ず仕組みを理解してください。

割賦販売契約の解除は、催告期間が30日以上必要なことにも注意してください。

業者自らが売主となる場合の「8種制限」

宅建士試験で毎年出題される、自ら売主となる業者の規制「8種制限」を覚えていますか?

【8種制限】

1)自己の所有に属しない物件の売買の制限2)クーリング・オフ制度3)損害賠償額の予定等の制限

4)手付額の制限

5)瑕疵担保責任の特約の制限

6)手付金等の保全

7)割賦販売契約の解除の制限

8)所有権留保等の制限

次は、7)と8)について順番に解説していきます。

割賦販売契約の解除等の制限

宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払い義務が履行されない場合においては、30日以上の相当の期間を定めてその支払いを書面催告し、

その期間内にその義務が履行されないときであれば、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払期間の到来していない賦払金の支払を請求することはできない(法42条1項)

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

30日以上の期間を定めて、支払いを書面で催告した後でないと、請求することができません。

割賦販売の定義

代金の全部または一部について、下記の2つの条件で受領し販売すること

【時期】物件の引渡し後

【条件】

・1年以上の期間

・2回以上に分割受領

賦払(ふばらい)金とは

割賦販売の契約に基づく各回ごとの代金の支払い分で物件の引き渡し後のものをいう。

催告期間が30日以上の理由

買主に30日以上の猶予期間を与えて、資金の手当てをされることが目的。

たった一度だけでの不払いによって契約が直ちに解除されてしまうのは、買主にとって今までの支払い分が無駄になるからである。

無効の特約の事例(認められない)

・口頭による催告で契約の解除ができる

・催告なしで直ちに契約の解除ができる

・30日未満の催告期間内に支払わないときは、契約の解除ができる

・賦払金の支払時期に支払がなければ当然に解除となる(失権約款)

所有権留保等の禁止

所有権留保とは、

売買契約において売主が宅地・建物の引き渡しはするが、代金が完済されるまでは、残代金の支払いを担保するために買主に所有権を移転しないで、売主に留めておくことをいう。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

所有権留保の禁止

【原則】 所有権の留保はできない。

例外:所有権留保ができる場合

・宅地建物の引渡し後であっても、宅地建物取引業者が受領した金銭の総額が、代金額の3/10を超えないとき

・買主が所有権の登記をした後の代金債務について、抵当権・先取特権の設定の登記申請ができる担保見込み、また保証人を立てる見込みのないとき

譲渡担保の禁止(法43条2項)

宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行った場合において、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ代金の額の10分の3を超える額の金銭の支払いを受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない(法43条2項)

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

譲渡担保とは

売主がいったん所有権と登記を買主に移転しておきながら、残りの代金債権の担保として再びその物件の所有権を譲り受けることをいう。

提携ローン付き販売における「所有権留保の禁止等」

物件の引き渡しが行われていなければ所有権留保をすることができる。

所有権留保等が禁止されるのは、宅地建物取引業者が物件を引き渡して、かつ、代金の3/10(提携ローン付き販売では、実質的受領額が3/10)を超える代金の支払いを受けた場合

買主の実質的弁済額が代金の額の3割を超えていれば所有権留保ができない

まとめ:「業者自ら売主となる場合の規制(3)」解説

以上、割賦販売に関する規制(所有権の留保の禁止)はいかがでしたか?

序文の問題の解答です。

問題29 エ  違反する

割賦販売の契約について賦払金の支払いの義務が履行されない場合においては、30日以上の相当期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、

賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない(同法42条1項)

(参照:【平成28年 問29項エ】過去問解説より)

買主が賦払金の支払を遅延したときに、宅建業者である売主が契約の解除をする場合は、催告期間を30日以上設けて、かつ、書面による催告をしなければならない。

【他に覚えておきたい暗記のポイント】

割賦販売(または提携ローン付き販売)において、宅建業者である売主が、物件を引き渡して、かつ、売買代金の3分の10を超える金銭を受領したときは、原則として、所有権留保が禁止される。

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次回は、「報酬に関する規制」です。

これも宅建士試験対策だけでなく、実務で役立つ知識なのでマスターしてください。

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