宅建士の過去問解説【宅建業法】営業保証金制度1ー営業保証金の供託

テスト

今回の宅建士になるための宅建業法の過去問対策は、「営業保証金制度1:営業保証金の供託」についてです。

ここで、平成29年度の宅建士の試験問題です。

問題32

1)宅地建物取引業者は、事業開始後新たに事務所を設置するため営業保証金を供託したときは、供託物受入れの記載がある供託書の写しを添附して、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

正解か誤りか?

 
ほぼ毎年、営業保証金に関連する問題は出題されています。

営業保証金制度の供託する保証金の額の高さは、宅建業者開業のハードルになっています。

保証金が払えない場合は、保証協会の社員になる方法もありますが、将来独立したい宅建士の人は特に今回の営業保証制度は必読です!

宅建士の過去問解説【宅建業法】営業保証金制度1ー営業保証金の供託

営業保証金の供託手続

営業保証金制度とは

消費者保護の趣旨から、宅建業者がその事業を始める前に一定額の営業保証金を供託所に供託しておき、宅建業者と宅建業に関して取引をした消費者が、取引に関して債権が発生した際に供託していた営業保証金から弁済を受けられるという制度である

(参照:「パーフェクト宅建基本書」より)

営業保証金制度とは簡単に言えば、業者が保証金を預けておいて、何かあればその保証金から代わりに消費者に弁済してくれる制度。

消費者保護が目的なので、業者同士の取引には使えません

宅建業者の免許を受領しただけでは開業できない。

営業保証金を供託して免許権者に届出をしてから、はじめて営業ができる。

営業保証金の供託先と供託額

保証金を供託する先は、宅建業者の主たる事務所最寄りの供託所とする。

【営業保証金の供託額】

国債証券 額面金額の100%
地方債証券・政府保証債証券 額面金額の90%
その他症例で定める有価証券 額面金額の80%

国債以外は、100%の同じ計算にならない。

* 注釈

・政府保証債証券・・・元本の償還と利子の支払を政府が保証している債権のこと

・その他省令で定める有価証券には、手形や小切手などの一般の株式は含まれていない

営業保証金の変換

金銭を有価証券に逆に差し替えることを変換という。

新たに供託したときは、遅滞なく、その旨を供託書正本の写しを添付して、その免許権者に届け出なければならない。

営業保証金の供託時期

宅建業法では、営業保証金の供託時期については別段の定めはなし。

また、営業保証金を供託した旨を届け出る期限はなし。

(営業保証金さえ払えば催告はされない。届出しなければ業務を開始することはできないだけであるので、誰も困らないから)

ただし宅建業者には下記の条件があり

免許を受けた日から3ヶ月以内に営業保証金を供託した旨の届け出がない場合は、免許権者

(免許を与えた都道府県知事など)は、催告しなければならない。

催告が到達した日から1ヶ月以内に営業保証金を供託した旨の届け出が無い場合は、免許を取り決すことができる。(できるだけで、強制ではない)

1年たっても供託しない場合は、取り消しの対象になる

【例外】

保証協会に加入した宅建士は、営業保証金の供託を要しない

取り消し処分の場合

免許の取消し処分は公開の聴聞はない。(本人に催告しているため)

業務の開始

宅地建物取引業者は、免許権者に営業保証金を供託した旨を届け出ない限りは、事業を開始できませんが、保証協会の会員である場合はどうでしょうか?

業務を開始できるのはいつか? ー 供託の届出

【業務が開始できる時期】

営業保証金の場合 免許の取得後、供託した旨を免許権者へ届出後
保証協会の社員の場合 保証協会弁済業務保証金を供託した旨を免許権者に届出後

業務開始後、新たに事務所を増設した場合

宅建業者は増設した事務所分に相当する営業保証金を払う

主たる事務所の最寄りの供託所に供託し、その旨を免許権者に届け出た後でなければ、当該事務所で業務を開始することができない。

営業保証金を供託せず、また届出をしないで業務を開始した場合

宅建業者は、業務停止処分または免許取消処分のほか、

6カ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれが併科される

宅建士まとめ:営業保証金の供託

営業保証金の供託はいかがでしたか?

宅建業者として開業するためには、意外に保証金がかかるので驚いた人もいるのではないでしょうか?

序文の問題、営業保証金を供託後、免許権者に届出るか?ですが

解答:正解。

宅地建物取引業者は、事業の開始後、新たに事務所を設置するため営業保証金を供託したときは、供託物受け入れの記載のある供託書の写しを添附して、その旨を届け出なければならない。

(参照:【平成29年 問32項2】過去問解説より)

次回の「営業保証金制度2回」では、営業保証金の保管替え・還付・取戻しについて解説します。

こちらも宅建士試験によく出題されるので読んでみてください!

【営業保証金の供託】暗記のポイント

・営業保証金の供託先は、主たる事務所の最寄りの供託所である。・営業保証金の供託額は、本店1,000万円、支店1カ所につき500万

・営業保証金の供託方法は3つ 1)金銭、2)有価証券、3)その併用

・有価証券による供託の場合の評価額は、国債は100%、地方債・政府保証債は90%、その他の有価証券は80%

・宅建業者が免許を受けた日から3カ月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないと免許権者から催告される

・催告を受けた日から1カ月以内に供託した旨の届出をしないときは、免許を取り消されることがある。

・免許の取得後、営業保証金を供託した旨の届出なしで業務を開始した場合、監督処分のほか罰則(6カ月以下の懲役・100万以下の罰金またはこれの併科)

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