宅建士の過去問解説【宅建業法】目的と用語の定義。基礎から攻略勉強法

テスト

今回の宅建士になるための過去問解説は、宅建業法の制度の基本知識「目的と用語の定義」についてです。

宅建士の試験で、宅建業の業務内容や関連する用語の定義の理解は重要です。

ここで、試験でよく出てくる「宅地」についての問題です。

1)都市計画法に規定する工業専用地域内の土地で、建築資材置き場の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する宅地に該当する。

2)都市計画法に規定する用途地域外の土地で、倉庫の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する宅地に該当しない

上記の2つは正解か誤りか?

上記の内容は、平成27年度の宅建士試験の宅建業法で出題されました。

解答のヒントは本文で!

今回の内容は、事例を理解しながら覚えると覚えやすいので、事例もできるだけ一緒に紹介しています。

宅建業法の基礎となる目的と用語をマスターしましょう!

宅建士の過去問解説【宅建業法】目的と用語の定義。基礎から攻略勉強法

過去問解説:宅建業法の目的とは

宅建業法の目的は、購入者の利益の保護と宅地・建物の流通の円滑化です(宅建業法1条より)。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

そのため宅建業を営む者は、免許を必要とし、無免許営業は厳しく規制されます。

個人で開業する場合でも、それは同じです。

宅建業法の宅地とは

宅地は法律によって定義や意味が変わります。

今回は宅建業法のなかで、宅地であるかどうか?を判断します。

宅地は用途地域内(外)にあるかどうか?でも変わります。

宅地と建物

下記が宅建業法上の「宅地」とみなされます。

【宅地】

用途地域

(内)外

建物の敷地に供せられる土地

現況宅地のほか、宅地見込地、宅地予定地

用途地域

道路、公園、河川、広場、水路の敷地を除く土地

【建物】

屋根と柱(壁)のある工作物

道路、公園、非住居用(工場や倉庫)、また建築物の一部(マンションの一室等)を含む

宅地の事例

試験では、下記のような事例が出題されます。

宅地とされる土地

・用途地域の別荘予定地

・用途地域の資材置き場、農地

・用途地域の道路予定地

・地目は山林だが建築予定地の土地

* 道路予定地は、道路ではないので、用途地域内の道路予定地は宅地になります。

宅地とされない土地

・用途地域の建築予定のない農地

・用途地域の公園内の事務所の敷地

農地や青空駐車場は、宅建業法上の宅地になるか?

宅建業法上の宅地であるか否かは、その土地の地目・現況(農地、山林等)とは関係ないです。

農地や青空駐車場等が宅地に該当するかどうかは、都市計画法の用途地域内にある土地であるか否かによって異なります。

・用途地域の土地: 現に建物が建つ土地、宅地見込地 宅地予定地・用途地域の土地:道路、公園、河川、広場、水路で現に供されているもの以外は、建物関係なく全て宅地

市街化調整区域内の農業用倉庫の敷地は宅地となるのか?

建物が供される土地は全て宅地です。

用途地域の内外を問いません。

宅建業

宅地建物取引業とは、

宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物売買交換若しくは賃貸の代理若しくは媒介をする行為業として行うものをいう(法2条2項)。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

【取引の事例】

Aの行為が宅地建物取引業に該当する場合

・法人Aが、田畑を宅地予定地として区画割した後、これを自ら売主となって不特定多数に分譲した

・Aが、自己所有の宅地を一括して宅建業者に売却し、当該宅建業者が不特定多数に分譲した

・Aが、自己所有の耕作地を宅地に転用し、20区画に造成した後で、一括して宅建業者B に媒介を依頼して不特定多数に分譲した

(該当する理由)

不特定多数の者を相手方にして、反復・継続して業として行っている

・現況が田や畑でも宅地予定地として売買すれば、宅建業法上は宅地となる

・AがBに「代理権」授与して不特定多数の者に売る行為は、本人Aにも効果が及ぶので、自らが売買する行為となる。

本人も媒介を依頼された業者、両者共、免許が必要になる

「代理」とは:宅建業者が売主から代理権を与えられ、売主の代理で売買契約を行う。効果が直接売主に帰属する

「媒介」とは:仲介や斡旋業のこと。宅建業者が売主・買主から依頼を受け、双方の間に入って契約成立に尽力する

該当しない場合

・Aが、Bから賃借したビルの 5 室を、自ら不特定多数に転貸した

・A社が、自社所有の宅地を区画割し、自社の社員にのみに分譲した

・Aは、所有する土地をBに一括で売却した。

(該当しない理由)

・宅地または建物を自ら賃借する行為(使用賃貸やサブリースなど転貸借も含む)

一回限りの売買契約は宅建業に該当しない

* 注意点 自己所有の不動産を貸借する場合は該当しないが、貸借代理媒介宅建業となる!

過去問解説:宅建業者

宅建業者は、“宅建業を営む者” であれば誰でも該当するのでしょうか?

違います。

宅建業者は免許を受けた業者に限ります。

宅建業者は、免許を受けた者(営利を目的とする個人または法人のほか公益法人の場合もある)に限られ、宅建業を営んでいる者でも、免許を受けていない者「モグリ業者」は、宅建業者ではない。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

宅建業者でない業者は宅建業務を行うことは許可されていません。

例えば、宅建業の免許申請中の者は、宅建業者ではないから広告等の業務を行うことができないです。(平成26年宅建士試験で出題)

国や地方公共団体の場合

国や地方公共団体には、そもそも宅建業法は適用されません。

独立行政法人である都市再生機構はとみなされ、地方住宅供給公社等は、地方公共団体とみなされるので、宅建業法は適用されません。

しかし、上記から依頼されて宅地の売買の代理・媒介を業として行う業者の場合は、宅建業の免許が必要です。

信託会社や信託業務を兼営する金融機関の場合

信託業法の免許を受けた信託会社は、免許に関する規定は適用されません。

国土交通大臣への届出のみで、国土交通大臣の免許を受けた業者とみなされます

しかし、適用除外になるのは、免許及び免許取消処分に関する規定のみです。

それ以外の専任の取引士の設置、営業保証金の供託、廃業届等は義務付けられます。

取引期間中に免許が使えなくなった場合は?

免許の有効期間が終了、効力を失った時や取り消された場合でも、それ以前に宅建業者が締結した契約は、そのまま継続します。

取引未了の場合は、その取引を結了する目的の範囲内では、なお宅建業者とみなされます。

宅建業者であった者、またはその一般承継人(相続人、合併後の法人等)は、宅建業者が締結した契約に基づく取引を終了する目的の範囲内においては、なお宅建業者とみなされ(法76条)、

これらの者は、免許の有効期間終了後や免許の失効後や免許の取り消し後でも、それ以前に締結した契約に基づく物件の引き渡し・登記等の債務の履行や、代金取立て等の債権の行使ができる

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

【宅建】過去問まとめ:目的と用語の定義について

今回の宅建士になるための過去問解説の内容は、いかがでしたか?

序文の問題、宅建業法上の宅地の定義についての解説です

1)正しい

工業専用地域はようと地域の一つであり、用途地域の土地は現に道路、公園、河川、広場、水路の用に供されている土地以外は、宅地に該当する。

したがって、建築資材置き場の用に供されているものは、宅地に該当する。

2)誤り

用途地域以外の土地であっても、建物の敷地に供せられる土地である以上、宅地に該当する。

よって、倉庫は建物に該当する

(参照:【平成27年 問26】過去問解説より)

宅建士試験には、下記のポイントも出題されるので、覚えて下さい。

・宅地建物取引業は、自ら宅地・建物の賃借(転貸借を含む)をする場合には、宅地建物取引業に該当しない

・「業として行う」とは、不特定多数の者に対して、反復継続して行うこと

(行為が1回限りの時は業に該当しない。)

・国・地方公共団体等には、宅建業法の適用がない

・無免許の者は、宅建業を営むことだけでなく、広告等の表示をしただけで、宅建業法違反になり、罰則が適用される。

・免許取り消し等に伴う取引の未了の場合は、取引を結了する目的の範囲内では、なお宅建業者とみなされる。

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