今回の宅建士になるための権利関係の過去問解説は「不動産登記」の1回目を解説します。
不動産登記は宅建士試験で、必ず1問は出題されるので、優先順位は最重要です。
ここで平成29年度の不動産登記についての過去問です。
・建物の名称があるときは、その名称も当該建物の表示に関する登記の登記事項となる。
正解か誤りか?
不動産登記は、見慣れないうちは取っ付きにくい印象を持つ人が多いですが、ルールを知れば簡単に理解できます。
本文では、問題の解説の前に、誰でもわかるように基礎から説明しています。
宅建士の実務ではもちろん、不動産を購入する人であれば、登記の構成や効果は絶対に知っておく方がよい知識なので、ぜひ、お見逃しなく!
Contents
不動産登記の種類
不動産登記法は、実体物(不動産など)を具現化するための手続きを決めた手続法です。
民法や借地借家法、区分所有法など実体法(物事の在り方自体を規定する法律)に対応するものです。
不動産登記では、下記をそれぞれ登記簿に公示しています。
物理的現況(物件の所在や面積等)を「表示に関する登記」
権利関係(物件所有者の住所、氏名や担保権の有無、その内容等)を「権利に関する登記」
登記簿
登記簿とは、上記の表示と権利に関する登記について、電磁的記録によって登記記録が記録された帳簿のことをいいます。
登記は1筆の土地、または1個の建物ごとにされます。
筆(ひつ):土地の単位のこと
「1筆」(いっぴつ)とは登記簿上の独立した1個の土地のこと
土地は1筆ごとに地番が付けられます。
登記記録(登記簿)
(参照:「法務省 不動産登記の ABC」より)
登記簿の構成
登記簿は、表題部と権利部に分かれ、権利部はさらに甲区と乙区に分かれています。
3部構成になっています。
表題部:表示に関する登記記録
土地 → 所在、地番、地目(例 宅地、田畑等、地積)
建物 → 所在、家屋番号、種類(例 居住、事務所、工場等)、構造、床面積
権利部:権利に関する登記記録
1)甲区:所有権に関する登記
2)乙区:所有権以外の権利(抵当権など)
登記簿は、下記の順番で登記されます。
1)表題部に当該不動産の表題登記
2)権利部の甲区「所有権の保存登記」
3)権利部の乙区「所有権以外の権利の登記」
権利部の甲区に登記をするためには、その前に表題部が作成されている必要があります。
また、乙区に登記するためには、その前に甲区が作成されている必要があります。
区分建物(区分所有建物)
上記のように、登記簿は1筆の土地、または1個の建物ごとに作成されます。
マンションなどの区分建物でも、各所有者ごとに各専有部分を1つの不動産とします。
これを「一不動産一登記記録の原則」といいます。
マンション全体は「一棟」、1つ1つの部屋は「一戸」や「一つ」「一部屋」と呼ぶのが通例である。
(参照「パーフェクト宅建 基本書」より)
登記簿は、一棟の建物の表題部の次に、専有部分のそれぞれに表題部が作成されます。
人つの区分建物には、表題部が2つあるイメージです。
そして、さらに敷地権の表示が登記されます。
敷地権の表示は義務
敷地権とは、区分建物の専有部分と一体化して登記される敷地利用権のことです。
戸建住宅など所有者が複数にならない取引の場合は、通常、建物は底地である敷地の表示はしません。
しかし、マンション全体の建物の表題部の登記記録が記録される場合は、敷地権の表示も一緒に登記されます。
ある土地が敷地権の対象になったときは、その土地の登記記録については、登記官が職権で、登記をしなければなりません。
登記する内容は、記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨についてです。
敷地利用権はどこへ登記するか?
下記の場合は、権利部の甲区と乙区に、それぞれ登記します。
・その敷地利用権が所有権の場合 → 甲区
・その敷地利用権が地上権、または賃借権の場合 → 乙区
敷地権付区分建物では、1つの登記記録に区分建物と土地(敷地権)の両方が記されています。
規約共用部分の場合
区分建物が管理事務所や集会所等、規約共用部分である場合にはどうなるのでしょうか?
その場合は、その区分建物の専有部分の表題部に、共有部分である旨の登録記録がされます。
不動産登記1:過去問解説とまとめ
不動産登記の登記簿については、いかがでしたか?
序文の問題の解説です。
正しい。
建物又は付属建築が区分建物である場合であって、当該建物又は付属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称が登記事項である
(参照:【平成29年 問14項1】過去問解説より)
登記について、平成29年宅建士試験で出題された、他の解説も覚えて下さい。
・地上権の設定の登記をする場合、地上権の存続期間の定めがあるときは、その定めも登記事項となる。
・賃借権の設定登記をする場合、敷金があるときでは、それが登記事項である。
・事業用定期借地権として借地借家法23条1項の定めのある賃借権の設定登記をする場合、その定めが、登記事項とされる。
不動産登記法のポイントだけは絶対に覚えて下さい。
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