宅建士の過去問解説【共有・区分所有権2】もし自宅のマンションの半分が焼失したら?

今回の宅建士の権利関係の過去問解説「共有・区分所有権」2回目です。

前回は「共有」について詳しく解説しましたが、今回は特に「区分所有権」の概要についてみていきます。

(* 参考記事「宅建士の過去問解説【権利関係】「共有・区分所有権1」マンション共有の持分と権利とは?」)

ここで建物の区分所有法についての過去問です。

あなたは、分譲マンションを買いました。

その共有部分の持分は、規約で特に定めがない限りは、共有者の人数で等分できるのでしょうか?

また、あなたのマンションが、建物価格の2分の1以下に相当する部分が焼失してしまいました。

あなた(各区分所有者)は、焼失した共用部分について、すぐに焼失した自分の専有部分や共用部分を復旧することができるしょうか?

復旧工事に着手するまでに復旧会議、建て替え決議があるまでに、待つ必要はあるのでしょうか?

解答を先にみる

上記の内容は、平成28、26年度の宅建士試験の権利関係で出題されました。

毎年、必ず区分所有権は絶対に出題されるので、優先順位は最重要です。

近年、分譲マンションが増えているので、今後ますます「区分所有法」は重要な法令になってきます。

宅建試験のためではなく、分譲マンションの売買に関わる人は、この記事は、ぜひ読んでください。

宅建士の過去問解説【共有・区分所有権2】もし自宅のマンションの半分が焼失したら?

区分所有権とは

区分所有権は、イコール、分譲マンションのルールです。

いわゆる分譲マンションのような一棟の建物のうち、構造上区分された数個の部分で、独立して、住居、店舗、事務所その他の用途に供される部分を有している建物のことを区分所有建物という

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

共有とは、1個の所有権が2人以上の人に量的に分属(いわば分割されて帰属)している関係をいいます。

共用部分を除く部分を目的とする所有権を区分所有権

この区分所有権を対象とする建物の法律を区分所有法といいます。

また、区分所有建物は専用部分共用部分から成り立っています。

専用部分

専有部分とは区分所有権の目的となる建物の部分です。

構造上区分された建築の部分です。

独立して住居、事務所、店舗などその他の用途に使用できる部分です。

利用上の独立性があり、マンションであれば、居住している部屋自体のことです。

共用部分

共有部分とは、専用部分以外の建物部分です。

共用部分には、法定共用部分規約共用部分の2つがあります。

法定共用部分

共同の玄関、階段、廊下、エレベーターなど、誰が見ても法律上、当然共用部分になるところです。

配管、配線、エレベーターの機械など、その建物の付属物も含まれます。

法定共用部分は、当然、共用部分になる事が認識されていることから、登記されないです。

規約共用部分

本来は専有部分になる可能性がある部分(例えば管理人室や集会室など)を規約で定めて共用部分として定めている部分です。

建物以外の集会所や倉庫なども含まれます。

わかりにくい事から、その旨を登記しないと、第三者へ対抗することができません。

マンションの分譲業者のように、最初に建物の専有部分を全部所有する者が、一括で規約を定めることができます。

その場合は、公正証書による設定が必要です。

共用部分に関する法律

共用部分は、規約で特別な定めをしない限り、区分所有者の全員または一部の共有となる(同法11条)

(参照:パーフェクト宅建 基本書より)

よって必要な範囲内で、他の共有者の専有部分や共有部分の使用を請求できます。

例えば、部屋の改装でベランダから外に足場を組む必要がある場合は、共用部分や一部の占有者の専有部分を使うことができます。

ただし、この時に他の所有者に損害を与えた場合は、償金を支払う必要があります。

なお専用部分・共有部分の使用請求権は、区分所有者だけ認められています。

なお、これは所有者のみの本人しか請求できず、賃借人などには適用されません。

共有持分の床面積の決め方

自分が専有している部分の床面積の割合によって決められます。

専有部分の面積の割合は、内のり面積(壁の内側)で出します。

通常の建築面積は、柱芯(柱の中心線)で出しますので、壁半分の厚みも入りますが、区分所有建物を登記するときは、内のり面積で登記します。

また、マンションの階段など専有部分は分離して処分することはできません。

共有部分の共有持分は、区分所有法に格段の定めがあるときを除いて、専有部分と分離して処分することができない(同法15条2項)

(参照:パーフェクト宅建 基本書より)

抵当権の場合も分離できません。

次の所有者は、専用部分と一緒に共用部分も受け継ぎます。

共用部分の管理

「共有」で出てきましたが、共用部分の管理も「区分所有法」に定められています。

規約で別段の定めをした場合を除いて、区分所有者の集会で、区分所有者及び議決権の過半数により決定します。

人数の賛成もないと決められらないようにしている理由は、もし、専有部分の所有が大きい人が、それだけ議決権を持つようになるからです。

1人が反対すれば、何も進まなくなるのを防ぐために、区分所有者の定数(人数)の多数でも決められるようにしています。

議決権

下記の表は、共用部分の保存・管理・変更に必要な条件です

保存行為
(例)修理・修繕等

集会の決議が不要

各共有者が単独でできる

管理行為(利用または改良行為)

(例)火災保険契約の締結等

普通決議

(各過半数の同意

変更行為(重大な変更)

特別決議

(各4分の3以上の同意

変更行為(軽微な変更)

普通決議

(各過半数の同意

変更行為には2つあり、それぞれ議決に必要な人数が違うことを押さえて下さい。

・重大な変更 (用途の変更など)

・軽微な変更 (通常のリフォームなど、形状または用途の著しい変更を伴わない)

共有部分の変更

上記であれば、区分所有建物の大幅な改築や用途の変更などの共用部分の変更は、区分所有者の集会を開く必要があります。

集会で区分所有者及び、議決権の各4分の3以上の多数決が必要です。

ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができます。

該当するのは、形状または、効用の著しい変更を伴わない場合などです。

通常のマンションの大規模修繕工事は、この過半数で決定できます。

これは、用途変更を伴わないので、軽微な変更とみなされるからです。

敷地に関する権利関係

敷地利用権とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利のことです。

敷地利用権の種類

敷地利用権は3つあります。

・所有権(の共有持分)

・地上権(の準共有持分)

・賃借権(の準共有持分)

分離処分の原則的禁止

区分所有者は原則として、

その専有部分とその専有部分にかかる敷地利用権とを分離して処分することはできません。

この分離処分禁止に違反してなされた処分(譲渡)は無効です。

しかし、例外もあります。

分離処分禁止の旨の登記(敷地権である旨の登記、不動産登記法)がなされるに処分(譲渡)を受けた者は、善意である時は無効を主張することができません。

宅建の過去問解答:共有・区分所有権

区分所有権の内容は、いかがでしたか?

序文の問題、マンションの共有部分の持分の割合はどれぐらいでしょうか?

各共有者の共有部分の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による(同法14条1項)

(参照:【平成28年 問13項4】過去問解説より)

本文の解説に戻る

等分割ではなく、各自の持つ専有面積の部分が大きいほど、共有部分の持分は大きくなります。

また焼失した部分の復旧は、決議を待たずにできるかどうか?ですが、専有部分であれば、できます。

ただし、共有部分に関しては、滅失した部分の復旧は決議次第になります。

建て替えが決議されれば、復旧ではなく、一括建て替えになります。

建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる

ただし、共有部分については、復旧の工事に着手するまでに法61条3項、62条1項(建替え)又は70条1項(一括建替え)の決議があったときは、この限りではない(同法61条1項・3項)

(参照:【平成26年 問13項3】過去問解説より)

宅建士試験には、下記のポイントも出題されるので、覚えて下さい。

・共有部分の床面積は、内のり面積

・共有部の管理事項軽微な変更は、過半数の同意が必要(重大変更は各3/4以上

・マンションの共用部分の持分は、専有部分と分離して処分できない。

普通決議特別決議の違いについても押さえておいてください!

次の「共有・区分所有権」の3回目は、マンション規約や集会など、マンションの内部管理について具体的に解説します。

これらも宅建士試験に毎年出題される重大箇所なので、ぜひ 読んでみてください。

* 参考記事「宅建士の過去問解説【権利関係】共有・区分所有権3。マンション管理運営に必要な基礎知識を紹介!」

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