宅建士の過去問解説【担保物権一般・質権権利関係】貸し倒れを防ぐ方法とは?!

今回の宅建士の過去問解説は、「権利関係|担保物権一般と質権」です。

ここで問題です!

あなたは、お金を貸していました。

借金の担保として弁済ができない場合は、家を貰う約束をしていました。

ところが、その担保の家が火災で焼けてしまいました。

あなたは、その家に掛けられていた火災保険金を弁済のために差し押さえる事ができるでしょうか?

上記は、平成21年に宅建士試験で出題された内容です。

実際に試験に出題された問題の文章は下記になります。

「火災保険金請求権を取得した場合には、その火災保険金に物上代位することができる。

正解か?誤りか?

物上代位など難しい法律用語が出てきますが、意味はわかりますか?

これらは「抵当権」の問題に絡んで、ほぼ毎年出題されているので、確実に理解してください。

宅建士の過去問解説【担保物権一般・質権権利関係】貸し倒れを防ぐ方法とは?!

物権の種類|法定と約定の担保物権の違い

担保とは簡単にいえば、弁済できない相手(債務者)の物権を取り上げる権利です。

金額が大きい場合は、貸し倒れのリスクを防ぐために、通常は、お金を貸した証文書だけでなく、保証人を付けさせます。

そして保証人だけでなく、債務者が所有する不動産や動産などを担保に取れば、より貸し倒れのリスクが防げます。

この確保できる担保は、下記の4種類です。

法定担保物権:法律が特定の債権を特に保護する「留置権」「先取特権」

約定担保物権:当事者間の契約で成立する「質権」「抵当権」

目的物を債務者から取り上げる効力は「留置的効力」と呼びます。

「質権」「留置権」があります。

しかし、目的物を債務者から取り上げないで、そのまま使用させている場合もあります。

債務者からの弁済がない時は、その目的物を売却します。そして売却した代金を弁済に充てて担保の目的を達成します。

この効力を「優先弁済的効力」と呼びます。

「先取特権」「抵当権」があります。

まずは、上記の4つの担保を整理して頭に入れてください。

担保物権とは

読み方は同じですが、物件ではなく物権です。

担保物権とは

ある債権の弁済を確保するために、他人の物の担保価値を利用する権利のことを担保物権という

参照:「パーフェクト宅建 基本書」より

この債権を担保するための権利を「担保物権」と言います。

この中で一般によく使われる担保物権の一つが「抵当権」です。

私達が家を購入する時に使う住宅ローンも「抵当権」です。

「抵当権」について詳しくはこちらから
* 参考記事:「宅建士になるための過去問解説:【権利関係】毎年出題の抵当権は家のローンで理解する」

特に下記の質権と担保物権との違いは、宅建士試験によく出題されます。

担保物権の性質

担保物権には4つの性質があります。

・付従性

・随伴性

・不可分性

・物上代位性

序文の過去問で出てきた物上代位性は、目的物が滅失した場合の保険金請求権、損害賠償請求権を押さえる事ができる権利です。

この物上代位の権利行使をする場合は、注意点があります。

その金銭が債務者に支払われる差し押さえしなければなりません。

支払われた後では、物上代位は使うことができません。

担保物権の4つの性質は、詳しくはこちらから

* 参考記事:抵当権の4つの性質」

質権(要物契約)とは

質権とは

債務者がその債権の担保として債務者または、第三者から受け取った物を、債務の弁済がなされるまで留置して(債権者の手元にとどめ置いて)、債務の弁済を間接的に強制するとともに、弁済がなされない場合は、その物から優先弁済を受けることができる担保物権のことである

342条、347条

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

例えば、質屋へ行って物と交換にお金を借りることなどです。

質権は、当事者間の質権設定契約によって設定されます。

この質権設定契約は、目的物を債務者に引き渡してはじめて効力が生じます。

物の引き渡しがない、意思の合致だけでは、質権の契約は成立しません。

このような物の交付や引渡しが契約の成立にとって必要な契約のことを要物契約といいます。

宅建士試験によく出る!質権と抵当権の違いとは

抵当権は、その設定契約によって成立しますが、債権者が目的物の引渡しを受けない点では、質権と大きく異なります。

抵当権は、目的物の占有を移さなくても成立する担保物権です。

逆に質権は、目的物の占有を奪うという点が、抵当権と根本的に異なります。

質権の目的物になるのは「財産権」「動産」「不動産」の3つがあります。

しかし、不動産質権は、引渡し後の管理が面倒なこともあり、質権の実務では、あまり利用されていません。

留置権とは

留置権とは

他人の物を占有しているが、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまでその物を留置して、債務を間接的に強制する担保物権のことである(295条)

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

留置権は、物の占有を要件としています。

例えば、車を修理に出した時に、代金を支払うまでは、車を返してもらえない。

また、建物の賃借人が賃借中に建物に必要な修繕をした場合は、その修繕費の返還を受けるまでは、その建物の返還を拒むことができるなどです。

特徴は、目的物を留置することであり、弁済を優先的に受けるものではありません

また、最大の注意を払って目的物を管理する善管注意義務があります。

そして留置権の行使は、時効を中断する理由にはならないです。

留置権を行使していても債権の消滅時効は進行します。

先取特権とは

先取特権とは、

法律の定める特定の債権を有する者が、債務者の一定の財産から、他の債務者より優先して弁済を受けることができる担保物権のことである

(参照:パーフェクト宅建より)

一言で言えば、他の債権者よりも早く担保を取る事ができる権利です。

法律で認められた先取の法定担保物権は、3種類あります。

・「一般先取」:給与や所得

・「動産」:旅行の宿代、運賃代など

・「不動産」:家など

特に宅建士で重要なのが、不動産の先取特権です。

不動産売買の先取特権

不動産の先取特権は2つあります。

・不動産保存の先取特権

・不動産工事の先取特権

不動産の先取特権は、登記しなければ第三者に対抗できません

「一般」や「動産」の先取は登記などが必要ないので、この点が他の先取と違います。

「不動産保存の先取特権」とは、保存に要した費用です。

不動産を借りている人が雨漏り工事したなど、保存に必要な費用を先に建て替えて出した場合です。

効力の発生する条件は、保存行為の完了後、直ちに登記する必要があります。

「不動産工事の先取特権」は新築に限らず、増改築も認められる工事の費用です。

工事によって不動産の価値が現実に増加していることが条件になります。

現に存在する増加額についてだけ認められます。

この場合の条件は、工事を始めるに予算額を登記することです。

不動産保存と工事の先取は、前に登記された抵当権にも優先する

通常は登記された順で、弁済の優先順位が決まります。

しかし、上記の2つの場合は、後に登記されていても前に登記された抵当権よりも優先されます。

一番に担保が取れます。

しかし、不動産売買の場合は違います。

先取特権と抵当権とでは、一般原則は、登記の前後によって優先順位が決まります。

登記された順番通りでしか、担保は取れません。

理由は不動産売買の時点で、抵当権があると知っていて購入しているので、特に購入者を優遇する必要はないと判断されているです。

宅建士過去問まとめ:担保物権一般と質権

以上、4つの物権と弁済時の注意点について解説しましたが、いかがでしたか?

序文の問題の解説です。

抵当権及び先取特権は、その目的物の滅失によって債務者が受けるべき金銭に対しても、行使することができる。

ただし、抵当権者及び先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差し押さえなければならない。

したがって、抵当権者も先取特権者も、その目的物が火災により焼失して債務者が火災保険金請求権を取得した場合には、その火災保険金「請求権」に物上代位することができる。

(参照:【平成21年 問5-3項】過去問解説より)

答えは正解。

担保の家が、火災により滅失した場合は、あなたは火災保険金が支払われる前に、請求することができます。

この物上代位性は、他の民法でも出てくるので絶対に覚えて下さい。

他の暗記のポイント

・留置権と先取特権は法定担保物権、質権と抵当権は約定担保物権

・質権の契約は、担保の目的物を債権者(質権者)に引き渡さないと成立しない。

・留置権の場合は、第三者に対抗するための登記は不要、しかし、先取特権の不動産の保存と工事は登記が必要

4つの債権「担保物権」「質権」「留置権」「先取特権」のそれぞれの違いを確認して下さい。

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