宅建士の過去問解説【宅建業法】保証協会2ー弁済業務保証金制度

テスト

今回の宅建士になるための宅建業法の過去問対策は「弁済業務保証金制度についてです。

前回の「保証協会の指定・業務・加入」の1回目に引き続き、保証協会の2回目です。

ここで、平成29年度の宅建士の試験問題です。

問題39

営業保証金を供託している宅地建物取引業者Aと

宅地建物取引業保証協会の社員である宅地建物取引業者Bに関する記述

Bは、保証協会の社員の地位を失ったときは、その地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければならない

正解か誤りか?

もし、保証協会の社員を止めれば、営業保証金1,000万を供託しないと、宅建業務を行うことができないのでしょうか?

続きは本文で!

この「弁済業務保証金制度」は保証協会制度の重要な項目です。

自分が宅建業者の立場で保証協会の社員になる場合を想定して、必死に?解説を読んでみてください。

宅建士の過去問解説【宅建業法】保証協会2ー弁済業務保証金制度

弁済業務保証金分担金の納付

宅地建物取引業者で宅地建物取引業保証協会に加入しようとする者は、その加入しようとする日までに、弁済業務保証金に充てるため、主たる事務所及びその他の事務所ごとに政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

本店1,000万の営業保証金に比べると、負担は軽いです。

弁済業務保証金分担金の納付額

主たる事務所が60万、その他の事務所ごとに30万となり、これを合わせた額である。

標識の提示義務は、両方にあり。

  主たる事務所 その他の事務所 本店+支店2カ所
弁済業務保証金分担金 60万 30万 120万
営業保証金 1,000万 500万 2,000万

・計算方法

本店+支店2カ所の場合:60万+30万+30万=120万

弁済業務保証金から弁済を受けることができる債権の補償額

弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者は、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利がある。

事例)300 万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付

60万:主たる事務所(本店)、30万:従たる事務所

(300 万円 ー 60 万円)÷30 万円=8

事務所の数は「主たる事務所1+従たる事務所8」

主たる事務所 1,000万円
従たる事務所 500 万円×8=4,000 万円

合 計5,000万円。

取引により生じ た債権に関し、5,000 万円を限度として、弁済業務保証金から弁済を受けることができる。

弁済業務保証金分担金の納付方法

保証協会に加入しようとする日までに、金銭で納付しなければならない

有価証券で納付することはできない

保証協会の社員の宅建業者が事務所を増設した場合

増設した日から2週間以内に、所定の弁済業務保証金分担金を金銭で、保証協会に納付しなければならない。

この期間内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に追加納付しなかった宅建業者は、社員としての地位を失うと共に、業務停止処分の対象になる。

弁済業務保証金の供託

宅地建物取引業保証協会は、弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から1週間以内に、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない(法64条の7第1項)

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

【保証協会 ⇒ 供託所】 1週間以内に弁済業務保証金を供託

弁済業務保証金の供託手続き

① 供託時期  弁済業務保証金分担金の納付を受けた日から1週間以内

② 供託先

 法務大臣及び国土交通大臣が定める供託所
③ 供託額  弁済業務保証金分担金の額に相当する額
④ 供託方法  金銭のほか、一定の有価証券で行うこともできる
(弁済業務保証金分担金とは異なる)

供託した旨の届出

【保証協会 ⇒ 免許権者】(供託所の写し)供託した旨の届出

弁済業務保証金を供託した保証協会は、供託書の写しを添付して、宅建業者が免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に、供託した旨を届け出なければならない。

社員となった宅建業者の場合

この届出に業務(営業)を開始することができる

弁済業務保証金の還付手続

還付請求手続

還付請求権を有する者  保証協会の社員と宅建業に関し取引をした者(その社員が社員となる前に宅建業に関して取引した者を含むが、宅建業者に該当するものを除く

還付が受けられる債権

 社員と宅建業に関し取引したことから生じた債権
還付が受けられる  営業保証金に相当する額の範囲内保証協会の認証した

認証事務

債権を有する相手方が弁済業務保証金から弁済を受けるには、保証協会の認証を受けなければならない。

保証協会が認証に関わる事務を処理する場合には、認証申出書の受理の順序に従わなければならない。

弁済業務保証金が還付された場合の補充供託手続き

【保証協会 ⇒ 供託所】   2週間以内に補充供託

【弁済業務保証金の還付(権利の実行)があった場合】

保証協会は、国土交通大臣から供託物の還付があったことの通知を受けた日から2週間以内に、還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。

還付充当金の納付

保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、その還付に関わる社員または社員であった宅建業者に対して、還付額に相当する額の還付充当金保証協会に納付するように通知をしなければならない。

この通知を受けた社員または社員であった宅建業者は、通知を受けたにから2週間以内に、通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない。

還付充当金を納付しなかった場合

もし、宅建業者が還付充当金を納付しなかった場合は、社員たる地位を失う。

地位を失った日から1週間以内に主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託しなければならない。

免許権者に営業保証金の供託済みの届出をしなければ、業務を再開することはできない。

また、1週間以内に営業保証金を供託しない宅建業者は、業務停止処分に処せられる。

なお一度、保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、その後で弁済業務保証金分担金を納付したとしても、地位を回復することはできない。

弁済業務保証金の取戻し等

保証協会は、下記の表の理由の場合は、弁償業務保証金を取り戻して、取り戻した額に相当する弁済業務保証金分担金を宅建業者に返還する。

取戻し手続

保証協会は、その社員たる宅建業者が社員でなくなったときは、弁済業務保証金の還付請求権を有する者に対して、6カ月を下らない時期に還付に必要な認証を受けるための申出をするべき旨を公告しなければならない。

(参照:パーフェクト宅建 基本書」より)

下記2)については公告は不要である

取戻し事由 取戻し金額 公告
1)社員でなくなった場合

納付した弁済業務保証金

分担金の額に相当する額

必要

2)宅建業者がその一部の

事務所を廃止した場合

弁済業務保証金分担金の

超過額に相当する額

不要

* 注意 営業保証金とは異なる

弁済業務保証金分担金の返還

保証協会は、社員が社員の地位を失った場合、当該社員に対して債権を有するときは、その債権の弁済が完了するまで、弁済業務保証金分担金を返還する必要はない。

宅建過去問まとめ:保証協会2

以上、「弁済業務保証金制度はいかがでしたか?

序文の問題の解答です。

正しい

宅地建物取引業が社員たる地位を失ったときは、地位を失った日から1週間以内に主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託しなければならない。

(参照:【平成29年 問30項1、問37項1】過去問解説より)

還付充当金の納付の通知と混同しないで覚えてください。

還付充当金の納付の通知を受けた社員は、通知を受けた日から、2週間以内還付充当金を保証協会に納付しなければならない。

宅建暗記のポイント「弁済業務保証金制度」

「2週間以内」の期間がよく出題される2週間以外を覚えておこう

1週間以内:弁済業務保証金の供託 営業保証金の供託 (保証協会の社員の地位を失ってから)

1カ月以内:特別弁済業務保証金分担金の納付

6か月(公告)

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