今回の宅建士になるための権利関係の過去問解説は根抵当権についてです。
根抵当権は、抵当権の特殊な物権の一つです。
抵当権は、ほぼ毎年宅建士試験で出題されていますが、出題されない平成23年度は、根抵当が出題されました。
根抵当権は抵当権との違いを理解する必要があります。
抵当権の内容を根抵当権であるか?と問う両方の内容を逆転させた問題が出題されます。
ここで宅建士試験の過去に出題された問題です!
あなたは、小売の商売をしていて、3社の銀行からお金を借りています。
日々、債権は増減するので一定の極度額(限度額)まで担保をしてもらっています。
共同の抵当権者がいる場合の弁済範囲は、抵当権設定当時の元本(利息を生じさせる元となる貸金)の返済は必要だが、利息は満期となった最後の2年分だけで済みます。
今回の総額が極度額の範囲内の根抵当であっても、あなたは利息を銀行へ全額支払う必要があるのでしょうか?
少しわかりにくいかもしれませんが、順番にみていきましょう!
Contents
宅建過去問解説:根抵当権とは
根抵当は小売の商売をしている人には、関係がある制度です。
根抵当権とは、一定範囲に属する不特定の債権を極度額まで担保する特殊な担保権のことをいう(398条の2以下)
(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)
例えば、銀行期間と取引会社、卸業や小売業者などの間で担保される債権のことです。
日々の取引の中で、増減変動が多い債権を一括して決めることです。
あらかじめ当時者間で定めた一定の限度額内で担保するということで、この限度額を極度額(きょうくどがく)といいます。
根抵当権の特徴(抵当権との違い)
債権の範囲が「抵当権」と「根抵当権」は違います。
・抵当権の担保する債権の範囲
「抵当権設定当時の元本」 + 「利息は満期になった最後の2年分のみ」
・根抵当権の担保する債権の範囲
債権に何らかの制限を設けない(全額払い必要があり)
根抵当権が担保するのは不特定の債権です。
宅建士試験によく出る抵当権については、詳しくはこちらから
* 参考記事:「宅建士になるための過去問解説:【権利関係】毎年出題の抵当権は家のローンで理解する」
根抵当権(包括根抵当権)が成立する条件
この根抵当権(包括根抵当権)が成立するには下記の4つの条件があります。
1)債務者との間の特定の継続的取引契約によって生ずる債権(商品の購入など)
2)債務者と一定の種類の取引によって生ずる債権(仕入など)
3)特定の原因に基づき債務者との間で継続的に生ずる債権(売掛債権など)
4)手形上または小切手上の請求権
上記の目的以外の債権は、包括根抵当権として認められません。
根抵当権の内容の変更は可能
根抵当権を設定する時に決めた内容は、当事者間同士で、自由に変更することができます。
第三者は、設定当事者間で決めた極度額の範囲内で内容を変更するのは、やむを得ないと考えるべき、と決められています。
下記の2つの事項は、当事者間で自由に変更できます。
・被担保債権の範囲
・元本確定期日
被担保権者の範囲は、根抵当権と設定者(小売業など)の合意で変更することができます。
債務者を変更することも同じです。
後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を要しません。
元本確定期日は、期日の到来前に根抵当権者と設定者の合意で自由に変更できます。
他の承諾が必要な場合
極度額の変更は、後順位の抵当権者その他の利害関係人、例えば転抵当権者や差押え債権者などの承諾が必要です。
変更時の注意点
元本確定前に決定する必要があります。
元本確定後は、扱いは抵当権と同じになります。
債権が返済後は、抵当権も消滅する付従性と一緒に移転するなどの随伴性がありました。
元本確定前とは 清算する前まで時期のことです。
元本が確定すれば、債権に根抵当がくっついていくので、確定してしまいます。
根抵当権の被担保債権の特徴
被担保債権がゼロになっても、根抵当権は消滅しません。
また被担保債権が譲渡されても根抵当権は残ります。
極度額の範囲内であれば、2年分を超える利息も担保されるので、支払う必要があります。
抵当権者と同じ根抵当権者のもつ効力
抵当権者と同様、根抵当権者も優先的に弁済を受けることができる。
自分で競売を申し立てができるのはもちろんであるが、他の債権者の申立てによって競売が開始したときに、これに加入して弁済を受けることもできます。
優先弁済を受けることができる範囲
弁済の範囲は、極度額までならば全てです。
根抵当権が確定した時に存在する元本、利息その他の定期金、遅延賠償金及び確定後、配当の時までに生ずる利息、遅延賠償の全部が該当します。
抵当権の登記より後に成立した賃借権は、たとえ短期賃貸借であっても、原則として競売の買受人に対抗できません。
抵当権者が優先弁済を受けられるのは、土地の代価についてのみであり、建物の代価については、優先的に受けることができない。
宅建過去問まとめ:根抵当権
以上、抵当権と根抵当権の違いなどは理解しましたか?
序文の解答は、本文の抵当権との違いを読めばわかりましたよね
根抵当権者は、被担保債権の範囲に属する利息の請求権については、限度額の範囲内であれば、満期となった最後の2年分に限らず、全額について根抵当権を行使することができる。
(民法398条の3第1項)(参照:【平成23年 問4-1項】過去問解説より)
根抵当権の場合は、元本確定後は全ての利息を支払う必要があります。
他に過去の内容が宅建士の試験では出題されています。
また元本が確定する前は、抵当権のもつ性質、随伴性などは持たない。
根抵当権の設定者は、元本の確定期日がない場合は、根抵当権の設定時から3年を経過しないと、元本請求ができない。
元本が確定しない間は、抵当権のような弁済が求められないので注意して下さい。
宅建に一発合格した経験から書きました。
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