マンション管理士の試験勉強で、私が理解しずらかったことを整理して紹介します。
以下「担保権」と「土地の登記」で重要なマンションの「敷地利用権」についてまとめました。
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Contents
マンションの敷地利用権について
マンションが戸建と違うのは、「専有部分」だけでなく他の区分所有者と共同で使用する「共用部分」があることです。
「敷地権」とは、土地の登記簿に登記された敷地を利用する権利「敷地利用権」です。
敷地と専用部分は一体となっているので、区分所有建物と分離して処分はできません。
敷地利用権のみの取引はできず、専有部分のみを取引すれば、同時に敷地利用権もくっついてきます。
敷地権付き区分建物についての所有権に係る権利に関する登記は、原則として敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有します。
→ 敷地権の移転の登記をする必要はありません。
「担保権」とは、一般の先取特権、質権、抵当権のことで、不動産の先取特権は含みません。
→ 建物のみについて登記することができます。
敷地権の登記をした土地 地上権である場合
→ 「地上権」と登記と地上権を目的とした「担保権」の登記は禁止です
担保設定することを認めると、敷地利用権者と建物所有者が異なる分離処分になります。
敷地利用権のみの取引はできないので、分離処分は成り立ちません。
「地上権」の「担保権」とは、一般の「先取特権」、「質権」、「抵当権」のことです。
不動産の先取特権は含みません。
不動産の「先取特権」とは、債務者の財産または特定の動産・不動産から優先的に弁済を受けることのできる権利の事です。
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敷地利用権と地上権
「敷地利用権」が「地上権」です。
「地上権」とは、他人の土地に、建物を建てたり、木を植えて林業を行ったりするために、その土地を使うことができる権利のこと(民法265条)です。
地上権は登記することによって、第三者対抗要件を有することになります。
「地上権」とは土地を利用する権利ですので、建物に関する登記事項はありません。(不登法78条、59条)。
よく建物を使う権利と混同されるので違いをおさえて下さい。
敷地権の移転登記をする必要がない理由
建物登記簿の表題部に敷地権の表示登記がされると、その専有部分と一体化した敷地利用権の存在があきらかになります。
そうなれば、専有部分と敷地利用権とは原則として分離処分することはできなくなります。
例えば、
Aさんが甲マンションの101号室を所有している場合。
101号室という専有部分だけをBさんに売る、または敷地利用権だけをCさんに売るということはできなくなります。
AさんがDさんに「101号室を売ります」と言えば、その意味は敷地利用権も含めて売るということです。
専有部分(101号室)の所有権の移転登記をすれば、同時に敷地利用権も移転します。
わざわざ敷地権の移転をする必要はありません。
Aさんから101号室を買ったDさんが、その所有権移転登記をする場合の問題。
専有部分の所有権移転登記をしたとき、敷地権の移転登記もする必要があるか否かは、「必要ない」が正解です。
所有権目的の抵当権設定は可能な理由
敷地権に担保権の設定は認められません。
「担保権」とは、債務者が債務を履行できなくなった場合(債務不履行)に備え、あらかじめ債権者(銀行)がその債権を担保するために設定する権利の事などです。
上記の「抵当権」「根抵当権」「質権」などがあります。
しかし、所有権を目的とする抵当権設定は可能です。
「抵当権」とは、担保権の一種で、債務不履行の場合、担保について、他の債権者に優先して弁済を受ける権利です。
登記後に設定された土地の抵当権が実行されようと、地上権付きのまま所有者が変わるだけなので、地上権には何の影響もありません。
但し、特別の先取特権については、法律の規定によって建物のみを目的とする先取特権が生ずるので(民法325条)、その登記は建物のみに登記することができます。
表示の登記申請は専有部分のみの申請は不可
区分建物の表示の登記は、一区分建物(専有部分)のみの申請は認められていません。
その区分建物が属する一棟の建物の他の専有部分の全部について、建物全体の登記と共に申請が必要です。
★ 登記について詳しい説明は「宅建士の過去問解説【権利関係】不動産登記1:種類・登記簿・区分建物」
登記官は敷地権の登記ができる
相当区事項欄とは、登記用紙に表題部、甲区、乙区があることです。
所有権に関する登記は甲区に、所有権以外の権利は乙区に記載されます。
登記官が職権で、敷地権の目的たる土地の登記用紙の相当区事項欄(敷地利用権の性格が所有権けら甲区、賃借権、地上権なら乙区)に敷地権たる旨の登記ができます。
登記官が職権で行うことのできる登記には、敷地権の登記以外にも、表示に関する登記(不登法28条)はじめ多数あります。
しかし、マンション管理士の試験対策では、「敷地権」の登記ができると覚えるだけで良いです。
専用部分以外の建物(共用部分)の種類
マンションは専用部分か共用部分のどちらになります。
最後に専用部分以外の建物、共用部分について整理します。
・法定共用部分 |
建物の構造上区分所有者の全員又は一部の共用に供されるべき建物の部分。 廊下・階段・エレベーターなど。 法定共用部分は登記不可。 |
・規約共用部分 |
占有分になりうる部分でも規約により共用部分とした部分。 集会室・管理受付室など 登記は可能。登記しなければ、共用部分であることを第三者に対抗できない。 |
・一部共用部分 |
一部の区分所有者のみの共用に供されるべきもの (例:一棟のマンションで下が店舗部で上が住居部の様な場合。店舗部分だけが使用する廊下と住居部分だけが使用する廊下など) 規約によって定めるべきものではない。 |
床面積のない共用部分には、配管、配線、掲示板などがあります。
一部共用部分の管理
一部共用部分の管理は、規約で定めれば、区分所有者全員で管理することができます。
また、一部共用部分の管理は、区分所有者全員の利害に関係するものは、区分所有者全員で行います。
一方、区分所有者全員の利害に関係しない一部共用部分の管理は、その部分が共用に供される区分所有者のみで行います。
・区分所有者全員の利害に関係する一部共用部分の管理 | 区分所有者全員 |
・区分所有者全員の利害に関係しない一部共用部分の管理 | 当該部分が共用に供される区分所有者 |
共用部分とされた付属の建物(法第4条第2項)
物置・倉庫・車庫等の付属の建物で、規約で共用部分と定めたもの。
ここは登記しなければ、共用部分であることを第三者に対抗できない。
共用部分の持ち分は、専有部分の処分に従う。
共用部分は、専有部分の利用と一体なので、専有部分の売却と共に、当然に共用部分も売却したことになるので、持ち分は専有部分と分離して処分することができない。
ただし、例外として区分所有法に別段の定めがある場合は処分できる
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