宅建【宅建業法】勉強法のおすすめは、「宅建業法の対策」の全般を理解することです。
宅建士の試験の4つの科目の中で最も出題が多く、毎年20問が出題されます。
この全体の40%を占める分野で点が取ることは、合格には必須で、合格者の9割以上が、宅建業法で得点を稼いで合格しています。
宅建士試験の出題範囲の全体にわたり、宅建業法の合格のポイントと勉強法のコツをお伝えします。
昨年は、法令改正の問題も宅建業法から多く出題されました。
Contents
宅建【宅建業法】勉強法のコツ
目標の点数は、最低18点以上を取りたい科目ですが、どれぐらい過去問を勉強すれば、目標の点数が取れるのでしょうか?
学習の難易点と対策を、合格者の経験談からみていきましょう。
暗記が多いことが学習の難易点
宅建業法は、過去問の内容を覚えていれば、必ず得点できるといわれます。
しかし、暗記科目の色合いが強く、丸暗記は範囲が広いので短時間の学習では難しいです。
また近年では、「正解が4問中、何個あるかを選べ」など、全問の枝を理解していないと解けない応用問題がでます。
単なる過去問の丸暗記だけでは、対応できないレベルです。
学習のコツ:全体像から掴む暗記は忘れない
合格者の攻略方法を聞くと、宅建業法の暗記のコツは、まずは全体像を掴むことです。
今、どこを学習しているのか?の流れを把握し、全体から、徐々に細かい部分まで関連して暗記していく方法が、覚えやすいです。
記憶は、関連付けてイメージの連想で覚える事が、一番効果が上がります。
自分が今、学習している分野の元の目的を把握し、知識を整理することを意識してください。
この勉強方法は、宅建士だけでなく、暗記量が多い建築士などの他の資格試験にも、同じように効果的です。
最初に目次を読んで全体像をつかむ
ファッション雑誌をめくり、流し読みするように、最初は目次を読んで全体のイメージをつかみ、学習内容を頭に入れましょう!
人間は漠然としたものに対しては、不安を抱く生き物です。
逆に、やらないといけない内容と範囲が明確になれば、目標までに必要な努力の目安がわかるので、不安はなくなります。
宅建業法で高得点が取れないと合格できないと不安を抱く人も、目標に向かって学習を進めれば、必ず合格できます。
宅建【宅建業法】の出題範囲
宅建業法の各項目のポイントを「パーフェクト宅建 基本書」からまとめてみました。
宅建業法は大きく分けて下記が出題されます。
・目的と用語の意味
・免許について
・宅地建物取引士について
・保証金について
・規制や義務
・業者自らが売り主になる場合の規制
・住宅瑕疵担保履行法
以下、よく出題される範囲のポイントを簡潔にまとめてみました
絶対におさえてください!
目的と用語の意味
これは宅建業法の基本中の基本。
毎年絶対に出題されて点がとりやすい問題!
・目的と用語の定義
資格の一番基礎になる宅建業法の目的と意義、用語の理解度をチェック
整理!
宅地(特に用途地域との関係)や建物との関係、他に、宅地建物取引業、媒介・代理や信託会社等
免許について
実務では絶対に必要なものが免許。
免許の区分・申請・効力
免許制度も購入者の利益保護と流通の安定化のために宅建業法では重要事項。
免許の種類、免許申請手続き、有効期間などを整理!
・免許基準・免許条件
免許の基準はペナルティ(特に5年間の期間)がポイント。
免許は2つの基準あり:「免許申請書類の形式的な基準」と「個人の犯罪などの実質的な基準」
・免許証の交付等
免許証の書換え、再交付、返納などが出題。
各手続の内容とその手続きが必要となる場合を整理!
・免許後の変更手続き
2つのポイントをチェック!
1)免許換えは必要性と手続き、新免許の有効期間、特に知事免許と大臣免許の違い
2)免許換え
・知事に申請の場合 → 直接知事に申請、
・大臣に申請の場合 → 本店を管轄する知事
宅地建物取引士について
宅建士の資格者個人に対しての規定です。これも重要!
・宅地建物取引士の意義・設置・事務
専任の宅地建物取引士と一般宅地建物取引士の違い(できる仕事(事務)は同じ)
専任の場合は、その要件、設置すべき場所、設置数を整理!
・登録
宅地建物取引士の登録について(免許制度も登録制度の共通点は多い)
整理!
・未成年者(免許関係、登録関係)
・宅地建物取引証
宅地建物取引証の返納と提出について(過去問を解くだけの学習でOK)
保証について
不動産業を開業しようとすれば、保証金を納めるなど、最初にお金がかかります!
・営業保証金
営業保証金制度とは、業者と取引する相手方の再建を保証する制度。
損害を業者が負える保証がないので、予め法務局に営業供託金を預けておく
制度に関する用語(意味と内容)、全体的な制度の流れを整理!
保管替え、還付、補充供託、取戻しなど
・保証協会の指定加入
営業保証金の負担が重い場合は、保証協会に入れば、そのまま保証金が安くなる。
営業保証金と同様の機能をもつことから、こちらも毎年出題。
「弁済業務保証金分担金」「弁償業務保証金」の用語の意味と内容を理解!
規制や義務
チラシによくある不動産の誇大広告は本当は禁止!
・広告に関する規制
誇大広告の禁止(6カ月以下の懲役、100万以下の罰金)
広告開始時期の制限(開発許可、建築確認、農地の転用許可、宅造法の工事許可など)
禁止対象の8項目の理解!
・媒介契約・代理契約に関する規制
依頼者であるオーナーとのトラブル防止のための法で、内容的には易しいボーナス問題。
・媒介契約書面の記載事項
(特定・価格・有効期間・解除・報酬・違反措置・標準媒介・登録)
・専任媒介、専属専任媒介及び一般媒介契約の違いを確認!
・説明・告知義務
「重要事項説明」は、免許制度と並ぶ、購入者の保護のために重要な制度。
自分が購入者の立場になれば覚えやすい。
説明・告知義務(重説)は、宅建士が説明するルール
整理!
説明関係事項(いつ、誰が、どこで、特に複数業者が介在する場合)具体的な説明事項(特にマンション関連)、「信託受益権」
・契約の締結に付随する規制
ポイントは、手付貸与の禁止。
誘引行為自体を禁止しており、契約の成立は問題にしない。
「信用の供与」に該当するか事例で整理!
・契約履行上の規制
トラブル防止のために不動産取引について契約書を作成し、当事者に交付する義務が業者にある。その場合の記載事項の規制
記載事項(必要的・任意的、売買・賃貸)を整理し、重要事項説明書と比較して覚える!
「37条書面」、「必要的記載事項」、「任意的記載事項」
業者自らが売り主になる場合の規制
業者自ら売主になり販売する場合は、別途、特別な規制があります!
・業者自らが売り主になる場合の規制(1)
知識の乏しい買主を保護するための規制。買主が業者の場合は、これらの規定の適用はない。
他人の所有物の売買で「取引契約がある場合」とは何かを確認
クーリングオフは申し込んだ場所が基準、できなくなる場合、クーリングオフの効果を整理!
・業者自らが売り主になる場合の規制(2)
損害賠償額の予定等の制限、解約手付性、瑕疵担保責任をチェック。
民法の瑕疵担保責任と違い「2年以上となる特約」について理解!
・業者自らが売り主になる場合の規制(3)
完成物件と未完成物件の手付金等の保全措置。
「保全の対象となる手付金等」「保全機関」の意味を理解!
「後日、代金に充当される申込証拠金の取り扱い」や「5%・10%の計算」の問題を解く!
・割賦販売の規制
割賦販売で問題になる所有権留保について
割賦販売契約を解除するには、30日以上の猶予と書面による催告が必要。
・報酬に関する規制
売買契約に複数の業者が代理・媒介で入り乱れて出題されるケースが頻繁にあり。
特に消費税に注意!
・基本の媒介報酬「代金×3%+6万円」
・代理報酬は媒介報酬の2倍まで
・複数業者が介在した場合、合計は媒介報酬の2倍まで
・消費税の課税事業者は8%、免税事業者は3.2%
・業務上の規制
「従業者証明書」「従業者名簿」「案内書の届出」
整理!
・名簿や帳簿に関する事項(記載事項、保存期間)
・標識が必要な場所、届出の手続きと届出内容
・住宅瑕疵担保履行法・住宅品確法
新築工事、工事完了から1年以内、人の居住の用に供したことがない物件が対象。
宅建業法とは別の法律。
資力確保措置、瑕疵担保保証金の供託、責任保険契約
買主が業者の場合は、資力確保措置の義務はない。
宅建過去問まとめ:宅建業法の全体
以上、宅建業法の全体像についての記事は、いかがでしたか?
宅建業法は、民法よりも瑕疵担保責任が長いなど購入者の利益保護を第一にしています。
また、宅地建物の流通を円滑にために「宅地建物に関する取引」を広く規制しています。
それぞれの意味に従って考えれば、答えが導き出せる問題もあり、ポイントをおさえれば難易度は高くないと思えたのではないでしょうか?
宅建業法は得点しやすい分野なので、どの科目よりも優先して勉強したいものです。
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