毎年、受験者数は減り続けていますが、転職の求人数が、堅調に増え続けているのが管理業務主任者の資格者です。
マンション管理士試験と共に、これから老朽化するマンションが増える日本では、大きな需要が見込めます。
また、国家資格の試験である管理業務主任者は、40代からの中高年の転職にも強みを発揮します。
宅建士ほどは受験生に人気もなくマイナーな資格ですが、実は、年齢が上がっても第一線で働き続けられる超穴場の資格です。
特に宅建士やマンション管理士など、他の国家資格と複合で取得しておけば、さらに専門家として強いです。
ここでは、短期間で取得しやすい管理業務主任者の試験について紹介します。
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Contents
管理業務主任者の試験内容
受験資格、制限は無し。(宅建士やマンション管理士と同じ)
受験手数料を納めれば、年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験することができる資格試験です。
本試験日 | 令和元年12月2日(日) |
試験時間 | 午後 1 時~午後 3 時 |
受験手数料 | 8,900 円 |
受験案内書の配布 | 令和元年 8 月 1 日(木)から~10月1日(火) |
願書の提出期限 | 令和元年 9 月 2 日(月)から令和元年 10 月 1 日(火) (当日消印有効) |
合格発表日 | 令和 2 年 1 月 17 日(金) |
試験地 | 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市及び那覇市 並びにこれら周辺地域 |
受験案内と願書の入手先 |
・一般社団法人マンション管理業協会(支部 を含む。) 並びに都道府県及び政令指定都市において配布。 |
・管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会) 入手情報先 (http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/index.html) |
マンション管理士試験の1週間後で実施されるので、ダブル受験する人も多いです。
頑張る受験生の中には、10月の宅建士の試験も加えて、同時に3つの資格に挑戦して合格する受験生もいます。
管理業務主任者の合格率と難易度
足切り点は存在せず、総合の得点で採点されます。
難易度は、合格率でみれば20%以上なので宅建士よりは取得しやすいと言われています。
近年の受験者はマンション管理士試験と同様に、試験を重ねる度に減少しています。
受験者は減っていますが、難易度は変わらないままです。
管理業務主任者の試験が始まってから数年間の合格率
実施年度 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
合格点 |
平成13年 |
57,179人 |
33,742人 |
58.5% |
38点 |
平成14年 |
35,287人 |
10,390人 |
29.4% |
33点 |
平成15年 |
27,017人 |
5,651人 |
20.9% |
35点 |
平成16年 |
24,104人 |
4,617人 |
19.2% |
37点 |
平成17年 |
22,576人 |
5,019人 |
22.2% |
36点 |
(参照引用:「一般社団法人 マンション管理業協会」より)
試験が始まった初年度は、58.5%と6割近い合格者が出ました。
2年目からは3割ぐらいになり、3年目からは20%~23%前後の合格率に絞られました。
近年の管理業務主任者の合格率
平成29年までの過去数年間の合格点は、35点±1点と前後してましたが、平成30年に33点と下がりました。
平成 30 年度の申込者数は 19,177人 で、 前年 度比 921人 の減りました。
ただ、合格率は21%前後に抑えられたままなので、合格者も増えていません。
実施年度 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
合格点 |
平成23年 |
20,625人 |
4,278人 |
20.7% |
35点 |
平成24年 |
19,460人 |
4,254人 |
21.9% |
37点 |
平成25年 |
18,852人 |
4,241人 |
22.5% |
32点 |
平成26年 |
17,444人 |
3,671人 |
21.0% |
35点 |
平成27年 |
17,021人 |
4,053人 |
23.6% |
34点 |
平成28年 |
16,952人 |
3,816人 |
22.5% |
35点 |
平成29年 |
16,950人 |
3,679人 |
21.7% |
36点 |
平成30年 |
16,249人 |
3,531人 |
21.7% |
33点 |
(参照引用:「一般社団法人 マンション管理業協会」より)
20%が合格できる難易度の資格試験なので、中難易度の資格です。
マンションの管理業務関係の会社の転職にも有利な資格なので、宅建士に合格した人が受験するケースもあります。
マンション管理士も同じですが、再受験でリベンジする人も多いので、合格者と不合格者のレベルが拮抗しています。
20%以上の合格率なので、難易度が低い試験だと甘く見ない方が良いです。
年代別の合格率:40代以上の合格率も高い
合格者の平均年齢は44.4歳(男性45.7歳・女性39.0歳)です。
最高年齢は男性の81歳で、最低年齢は18歳(男女とも)。
全体の受験者層が、40代以上の受験者が多く、中高年の合格率が高い特徴があります。
管理業務の仕事の特性のためか、男性の受験者が多いです。
(参照引用:「一般社団法人 マンション管理業協会」より)
管理業務主任者の難易度と出題範囲
出題範囲は、マンション管理士や宅建士と、一部重なる部分はありますが、
管理業務主任者の業務に必要だからこそ、重点的に出題される分野もあります。
出題は、マンションの区分法だけでなく、民法、建築設備、会計までと幅広いです。
【出題される分野】
・民法・区分法
・住宅関係法
・都市・建築
・設備関係法
・管理規約・委託契約など
・会計
・修繕維持管理
管理業務主任者はマンション管理士と同時に取得すると、さらに相乗効果が高いです
★ 詳しくは >>【マンション管理士】試験情報と合格率。宅建士と管理業務主任者と複合で持つと強い資格
管理業務主任者の主な仕事と将来性
毎年、受験者が減り続けているのは、取得しても使えない資格だから?と思う人もいるかもしれませんが、違います。
むしろ、管理業務主任者は、需要に対して人材が不足している状態です。
マンションには「管理組合」というマンションを管理するための組織があります。
そして、多くのマンション管理組合は、煩雑な管理業務を外部の「マンション管理業者」に委託しています。
また、「マンション管理業者」は、国家資格者である管理業務主任者を置くことが定められています。
管理組合は管理業務主任者を置く義務があり
・成年者である専任の管理業務主任者を30管理組合につき、1人以上の割合で設置
今の日本では、10人に1人がマンションに住む時代になり、近い将来、築30年を超えた老朽化するマンションは、500万戸を超えると言われています。
マンションは老朽化すればするほど、大規模修繕事業など重要な仕事が増えます。
増え続けるマンション管理業務の需要に対応する人材を確保することは、業界の課題にもなっています。
管理業務主任者には3つの独占業務がある
管理業務主任者には、下記の3つ独占業務があります。
1)委託契約に関する重要事項の説明および重要事項説明書(72条書面)への記名押印
2)管理委託契約書(73条書面)への記名押印
3)管理事務の報告(77条)
40代以上の求人も多く管理業務の会社への転職に有利
マンション管理業務の求人募集は、40代以上の求人も多いです。
これは、管理業務は、マンションの住人同士のトラブルなどが起きた時に、解決していく、高度な対人関係力が求められるからです。
管理業務は内容が多岐にわたるので、経験を積んだ40代以上のベテランの方が、向いている仕事とも言われます。
上記の独占業務があることから、宅建士と同様に転職に有利になる資格でもあります。
仕事の重要性から、今後、管理業務主任者は、合格者を増やすために簡単になることは無いです。
一部の情報では、難しくなるとも予測されています。
人気がそれほど高くない今のうちに、早く管理業務主任者も取得すると有利になるかもしれません。
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