【マンション管理士】試験情報と合格率。宅建士と管理業務主任者と複合で持つと強い資格

テスト

不動産系の資格で宅建士と並び、注目されるのがマンション管理士です。

マンションの管理に関して専門知識を持ち、管理組合等の相談に応じ、助言と指導を行う仕事です。

法律の知識も有する国家資格なので、宅建士などとダブル取得すると付加価値がつきます。

日本では築30年超のマンションが、2019年では215万戸(東京カンティ:2019年3月6日日経新聞より)
マンションの市場全体の約30%を占めます。

今後、中古マンションの売買取引や管理、リノベーションが増加し、マンション管理士の役割が増えます。

ここでは、マンション管理士を宅建士が取得するメリットと試験情報を中心に紹介します。

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マンション管理士の試験内容:合格率や出題範囲

マンション管理士の試験内容と合格率

マンション管理士の試験は、年に1回、11月に行われます。

試験概要は、毎年6月から「公益財団法人:マンション管理センター」公表されます。

2020年度 試験の概要

本試験日  令和2年 11 月 29 日(日)
試験時間 午後 1時~午後 3 時
受験手数料 9,400 円
受験案内書の配布 令和元年 8 月3日 (月) から9 月30日(水)
願書の提出期限

令和元年 9 月1日(火)から令和元年 9 月30日(水)
(当日消印有効)

合格発表日 令和3年 1月15日(金)
試験地 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市及び那覇市 並びにこれら周辺地域
受験案内と願書の入手先 ・公益財団法人マンション管理センター(支部 を含む。)
並びに都道府県及び政令指定都市において配布。
・公益財 団法人マンション管理センターのホームページ
ダウンロード先 (https://www.mankan.or.jp/

受験手数料の支払い方法は、払込用紙等(公益財団法人マンション管理センターが指定)で、ゆうちょ銀行・郵便局の振替払込又は銀行の振込により納付。

過去2年のマンション管理士の合格率

マンション管理士の試験の平均合格率は、わずか8%!

司法書士などの難関資格と同様に狭き門です。

2018年

2019年

受験者数

12,389名  

12,021名  

合格者数

975名

991名

合格率

7.9%        

8.2%   

(参照:公益財団法人:マンション管理センター)

ただ、受験者率は87.1%  であり、宅建試験と同じように申し込みをしながら、13%近い受験生が、受験を放棄します。

60歳以上の受験者も多くこともあり、合格者の平均年齢は46.5歳です。

30代、40代や50代の合格者が多く、若い人より中堅世代が多く取得する資格です。

年齢 合格者数
~29歳 85(8.7%)
30歳~39歳 218(22.4%)
40歳~49歳 272(27.9%)
50歳~59歳 240(24.6%)
60歳~ 160(16.4%)

(参照:公益財団法人:マンション管理センター)

マンション管理士の出題範囲

テスト形式はマークシート方式で総問題数は50問

マンション管理士は、法令、管理実務、建築・設備の3分野から出題されます。

出題範囲 マンション管理士試験
法令 民法・その他法令 約6問
区分所有法等 約12問
標準管理規約 約8問
マンション管理適正化法 5問
管理実務 標準管理委託契約書等・会計 約4問
建築・設備 約15問
合計 50問

マンション管理士の合格点

近年のマンション管理士の合格点は、50問中35点〜38点を推移しています。

試験年度 合格点
(合計50点満点)
令和元年 37点
平成30年 38点
平成29年 36点
平成28年 35点
平成27年 38点

マンション管理士と宅建士のW取得で年収アップ

マンション管理士は、宅建士や管理業務主任者と取得すれば、さらに強みが増します。

マンション管理の専門知識を持つ人材として、修繕や経営方法までアドバイスすることができます。

マンション管理士の仕事内容

マンション管理士の仕事は、一言で説明するとマンションの維持・管理に関するコンサルティング業務です。

マンションには住民で組織される管理組合があり、それぞれの区分所有者がいます。

様々なマンション内の取り決めを行なっていますが、素人だけでは解決できない問題も起こってきます。

このようなマンションの管理組合などから依頼を受けて、トラブルを解決するのが仕事です。

宅建士と同様に専門の法律だけでなく、マンションの経営方法(会計処理、コスト削減)など幅広い知識が必要とされます。

また、建物修繕が必要になった場合の工事会社からの見積徴取、選定などの業務も必要になるので建築分野の知見も必要です。

また、各マンションの管理組合から個別に依頼を受けるだけではなく、自治体が主催するセミナーでの講演や相談会に出席することもあります。

自治体の中には、マンション管理にアドバイザー制度を設けている場合があります。
また、マンション管理士がアドバイザーに就任し活動を行うこともあります。

マンション管理士を取得するメリットと需要

マンション管理士は単なる「マンションの管理人」とは違う専門性の高い国家資格です。

マンション管理士として活動しようとすれば、試験合格後に登録が必要です。

合格後に「公益財団法人マンション管理センター」に登録して専門家のお墨付きをもらいます。

このマンション管理センターとは、「マンション管理適正化推進センター」の指定を受けている日本国内唯一の団体です。

「マンション管理適正化法」(平成13年8月に施行)とは、適正なマンション管理を行うために定められた法律です。

マンションを多く扱う不動産管理会社不動産系のコンサルティングする企業への就職もしやすいです。

特に今後は、老朽化対策が必要なマンションの建て替え需要が、増えると見込まれているので、求人も近年、伸び続けています。

特にマンションの施工と販売・管理をトータルで行う会社では重宝されます。
マンション管理組合との連絡・調整業務を任される仕事の需要が増えてくると思われます。

マンション管理士は専門家として認知される資格

マンション管理士の資格の弱み

国家資格であるマンション管理士は「名称独占資格」です。

名称独占資格の弱点は、宅建士のような「独占業務」がないことです。

管理士ならではの独占業務が無いので、この点が宅建士のように独占業務がある国家資格に比べると弱いです。

資格を取得していない人でも、マンションの運営管理に関しては、相談に乗ることができます。

また、マンション管理士だけで、独立開業しているケースも少ないです。

行政書士や宅建士と一緒に取得していると有利になる資格です。
単独では歓迎資格に止まるケースが多いです。

不動産企業へ勤務する人が、社内でマンションの管理業務などへの担当職種を変更するには、アピールしやすいです。

企業によっては、法務部門で資格手当で優遇する場合もあります。

マンション管理士試験の受験条件と受験者の特徴

マンション管理士は、学歴、職歴などを問わず、誰でも受験できます。

受験生の特徴は、学生の受験も一定数いる宅建士とは違い、社会人の受験が圧倒的に多いです。

下記はマンション管理士の合格者の年代です。

マンション管理士試験の受験生の年齢

意向調査:マンション管理士23,118名(平成27年度末登録者)

(引用:マンション管理業務についてのアンケートより)

受験生の年代の内訳を見ていると40代から60代の受験者が大半を占めます。

中堅の年代でも挑戦しやすい資格であることがわかります。

下記は合格者の職業です。

意向調査:マンション管理士23,118名(平成27年度末登録者)

(引用:マンション管理業務についてのアンケートより)

実際に不動産屋マンション管理業の実務についている人が、仕事に役立たせるために取得しています。

しかし、マンション管理士として就業しているのは、わずか4.6%です。

他の資格と複合で取得する人が多く、宅建士や他の資格と複合で取得することで付加価値が高まるようです。

マンション管理士以外に取得されている資格

下記がマンション管理士が他に取得している資格です(複数回答あり)

マンション管理士と宅建士のダブル取得者が多い

(引用:マンション管理業務についてのアンケートより)

「管理業務主任者」が85.2%、「宅地建物取引士」が77.8%を取得しています。

不動産系の知名度の高い資格と複合取得している割合が特に高いです。

マンション管理士は、宅建士と違い独占業務がない「名称独占資格」です。

「マンション管理士」を取得していないと専門家としての名称を名乗ることはできません。

しかし、資格がなくてもマンション管理に関するコンサルティングを行えます。

このような事情からも独占業務がある宅建士などと一緒に保有する方が良いです。

さらにマンションオーナーなどの間ではマンション管理士の知名度は抜群に高いです。
名刺に肩書きがあれば、信頼を得やすいです。

管理業務主任者とマンション管理士の違い

管理業務主任者とマンション管理士は、同じようなマンションの管理業務に関わる仕事をすると思われがちですが、立場が違います。

マンション管理士は、マンションの管理組合やマンションの区分所有者をクライアントとする独立型の資格です。

一方、管理業務主任者は、マンション管理会社が主な就職先となる就職型の資格です。

どちらの資格も法律の知識を持っている専門家としての位置付けで、単なるマンションの管理人とは違います。

マンション管理士を取得する動機

マンション管理士を取得する動機は、今の業務に資格を活かしたいという理由が多いです。

下記はマンション管理士を受講した理由です(複数回答あり)

マンション管理士試験の受験の動機は業務に活かすと転職が多い

(引用:マンション管理業務についてのアンケートより)

「現在又は将来の仕事に活かすため」が65.8%を占め、「自己研鑽のため」も50.1%とあります。

その一方でマンション管理士として就業するためが19.2%です。

マンションだけを専門の仕事をしたい受験者は、全体でみると2割程度なので、多くはありません。

さらに「現在又は将来の仕事に活かすため」の内訳は、職場の業務に活かすためが43.7%と

不動産業界で付加価値をつけたい人が取得をめざすことがわかります。

マンション管理士の資格取得で不動産業界でステップアップしたい人は、宅建士や管理業務主任者との複合取得を考えてみてください。

宅建士や管理業務主任者と同時取得は可能

マンション管理士の資格を取得すると管理業務主任者などの試験科目が一部免除されるメリットがあります。

その逆もあるので、同じ年に宅建士や管理業務主任者とダブル受験に挑戦する人も多いです。

  宅建士 管理業務主任者 マンション管理士
試験形式 四肢択一(マークシート)全50問
5点免除対象者

登録講習修了者

(修了年を含め3回分有効)

マンション管理士試験合格者

生涯有効

管理業務主任者試験合格者

生涯有効

試験日程 10月 12月 11月
合格基準点(2018年) 37問/50問 35問/50問 38問/50問
合格率

15.4%

22.5% 7.9%
出題分野 民法 民法・区分所有法等
宅建業法 規約・会計等
法令上の制限 維持・保全等
税・その他 適正化法等
業務内容

・不動産取引の35条重要事項の説明、37条の契約

・管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う ・マンション管理組合の運営、コンサルティング業務、問題解決のサポート

頑張る人の中には、1ヶ月ずつ試験日がズレていることもあり、3つの資格を同時に取得するツワモノもいます。

実際にマンション管理士の80%は宅建士の資格も取得しているとも言われます。

宅建士の次のステップアップとして「マンション管理士」と「管理業務主任者」の2つを同時に目指す受験生もいます。

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