宅建士のリアルな仕事がわかる入門テキスト「こんなに面白い宅地建物取引士の仕事」

テスト

宅建業法で重要事項の説明、取引のルールなどを勉強をしていると、宅建士の仕事のリアルな現場が知りたくなります。

また資格を取得するならば、宅建の試験対策の為だけではなく、業務内容がイメージできる方が、資格取得にもやる気が出ます。

そんなリアルな現場を知りながら、勉強したいと願う受験生におすすめのテキストがあります。

「こんなに面白い宅地建物取引士の仕事」は、一般的な参考書や過去問を解くテキストではありません。

ただ、宅建士の開業方法や重要事項の説明などの主要業務が著者の経験を元に書かれています。

この本を読めば、初心者は特に宅建業法は、かなり勉強しやすくなります。

座学として読んでおくと良い入門テキストです。

宅建入門テキスト「こんなに面白い宅地建物取引士の仕事」のレビュー

(引用画像:Green Planetさんによる写真ACからの写真)

宅建士の主要実務がわかる入門テキスト

普通に参考書を広げているよりは、断然、おもしろく最後まで読めます。

序章はカボチャの馬車の不動産投資で融資が破綻した最近の話から始まり、興味が惹きつけられます。

本書からは宅建士の仕事が一通りわかるようになっています。

【目次】

序章 近年の不動産取引に関連する事件
第1章 面白い資格「宅建取引士」
第2章 「宅建取引士」とは
第3章 宅建取引士の歴史
第4章 不動産業で「宅建取引士」は開業できるか
第5章 宅建取引士の主要業務(重要事項の説明)

不動産業界で働く人ならば、読んでいて、現実にある話だと納得する反面、そんなことは知っていると思うかもしれません。

ただ、私個人の感想では、不動産報酬や業界の客付の裏話など、リアルな現場の様子がわかりやすい本なので、情報源としては良書です。

特に私が読んでいて面白く、情報源として有益だと感じたのは、実際の仕事の報酬の説明です。

不動産の仲介手数料の計算法は、試験問題にも出てきますが、問題を解くだけだと、頭になか中はいりません。

しかし、宅建士の年収にも関わる歩合給の計算方法という視点から読むと、自分の将来の収入にもつながる話なので、真剣に?読めます。

宅建業法と重要事項説明の対策に有効

宅建士のリアルな仕事がわかる入門テキスト「こんなに面白い宅地建物取引士の仕事」

本書では、座学からの知識の習得法にはなりますが、宅建受験の初心者の宅建業法の対策になります。

宅建業法は、実際に不動産業界で働いている人であれば、不動産取引の流れなどは、頭に入りやすいですが、初学者はイメージしにくいです。

現場の話から、どのような内容か?が分かるので、実務経験者とのハンディを埋めてくれます。

特に「重要事項説明」や、法改正で2018年度の宅建試験から問題に登場している「IT重説」の説明が丁寧な本です。

これらの章だけを流し読みで読んでも十分に勉強になります。

こんなに面白い宅地建物取引士の仕事



解説がここまで丁寧でわかりやすのは、本書の著者である山瀬和彦[ヤマセカズヒコ] さんは、長年、国家試験専門校で受験指導を行なっていたからです。

カリスマ講師だったからこそ、単なる宅建士の仕事紹介の本で終わらない内容の深みがあります。

根底には、初学者でも理解できるようにしたい熱意も感じられます。

宅建テキスト:宅建士の仕事の説明が分かりやすい

(「こんなに面白い宅地建物取引士の仕事」宅建士の設置義務についての説明の画像)

山瀬さんは、現在は宅建士として活躍中で不動産会社経営でも実績を上げています。

その経験談から、元手がなくても、客付で仲介手数料を稼ぐ方法など、不動産業界で稼げるリアルな方法も明かされています。

例えば、売る商品がなくても、レインズなどで売れそうな物件を探せること。

売りたい物件を扱う不動産販売会社へオープンルームをやらせて欲しいと頼めば、元手なしで手数料が稼げて不動産の商売ができるなどです。

また、客付を有利にするために暗黙の了解で行われる広告ADの仕組みなど、綺麗事だけではない業界独特の慣習についても書いています。

この章を読んでいると宅建業法の取引の流れも理解しやすくなります。

リアルな現場の話ほど、受験生の興味をひき、わかりやすいことはないからです。

宅建テキストではリアルな現場が面白い

宅建士の年収アップは営業力がないと無理な本音がわかる

「こんなに面白い宅地建物取引士の仕事」は、タイトルからイメージできる楽しく夢がある内容とは違います。

宅建士を取得しても営業力がないと、結局は稼げないというシビアな現実も指摘しています。

不動産業界で営業職に就く人の宅建士の取得は少なく、総務や事務系の職種の人の方が、多いという意外な事実もわかります。

特に歩合の仕組みの説明では、多くの不動産営業が、安い給料で働く現実にも触れています。

例えば賃貸不動産の営業であれば、一定以下の売り上げしか稼げなければ、足切り額があり、歩合もつかないです。

宅建士の求人募集で営業職が多いのも、それだけ労働条件が厳しく、仕事を辞めていく人が多いからです。

また、不動産業界は、経験を積めば転職しやすく、潰しがきく業界ですが、営業職を目指さないと、求人も少ないです。

宅建士を取得したら、資格手当はつきますが、それ以外に、すぐに大きな年収アップができるほど甘くはありません。

読み終われば試験勉強にやる気が出るテキスト

厳しい不動産業界の現実もわかる入門テキストなので、宅建士の仕事内容を知りたい初心者には、特におすすめです。

この本を読んで、人によっては宅建士になるのを辞めると決意するのも、それも悪くない決断です。

ただ、山瀬さんは、一度稼げるようになれば、これほど面白い仕事はないと、本の中で締めくくっています。

自分の裁量や実力で、公平に勝負ができる仕事でもあり、向いている人には、これほど楽しい仕事はないと思います。

また、営業職につかなくても他の専門分野の知識があれば、宅建士は自分のキャリアの大きな武器にもなります。

私も建築士から、仕事のために宅建士を取得しましたが、仕事の幅が広がるなど資格は役立っています。

多くの人は、読み終われば、宅建の試験勉強にやる気も出るので、受験勉強が苦しい時の息抜きにも最適なテキストです。

独立や開業までの流れもイメージできるので、マンネリ化している人は、テンションが上がります。

自分にやる気を出したい時にも読んでみてください。

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