宅建は二級建築士を取得した人には、おすすめの資格です。
宅建と二級建築士のタブル取得者は、転職に有利な事だけではありません。
参照記事:「二級建築士と宅建(タッケン)のダブル取得が転職で大人気!コスパの良さを検証」
二級建築士の学科試験に合格した人は、宅建にも合格しやすい傾向があります。
そう言われても法律の契約関係の難しい言葉は意味も分からない。
幅広い範囲を短期間で暗記するのは無理だ!
半信半疑の人もいると思います。
しかし、建築士と宅建は、共通する学科の出題範囲があります。
特に建築の「法規」の科目の知識は宅建でも役立ちます。
今回は建築士と宅建の試験で共通の出題範囲と勉強方法を簡単にまとめました。
建築士を目指さない人にも宅建の試験対策に有効な記事です!
宅建士と建築士の共通の出題範囲
二級建築士の試験の4科目の1つ、法規の問題は、宅建でも出題されます。
建築士の試験とは違いの1つは、各科目に足切り点があるかどうかです。
宅建は科目別の足切り点が無いです。
よって宅建は、自分の得意分野の科目で点数を稼げる利点があります。
宅建の問題数は全部で50問です。
平成29年度の足切り点は、総合点で、平均35〜37問。
たとえ1つの科目が0点でも、他で高得点が取れるならばカバーできます。
約7割以上、正解ならば合格できます。
建築士が宅建で点を稼ぎやすい科目とは
宅建試験は大きく分けて4科目あります。
下記の赤字マーカーを引いた箇所は建築士の試験範囲にも重なります。
1)宅建業法 20問
・宅建士の業務に必要な契約関連の内容
「重要事項の説明」「37条書面(契約書)」「宅地建物取引業法」
2)権利関係(民法) 14問
・日常生活に関わる民法の内容
「民法(賃貸借、抵当権、相続)」「借地借家法」「不動産登記法」「区分所有法」
3)法令上の制限 8問
・街づくりや開発行為などの基準を定めた内容
「建築基準法」「都市計画法」「宅地造成等規制法」「国土利用計画法」「農地法」
4)税・その他 8問
・税金や宅地としての適否や建物の構造の内容
「固定資産税」「不動産取得税」「地価公示法」「不動産鑑定評価基準」「統計」「建物構造」「宅地」
建築に関わりがある分野は、建築士にとっては学習も進みやすいです。
勉強は、得意分野から固めていくのも一つの方法です。
「1)宅建業法」は宅建試験の問題数は計20問と最も出題が多いです。
難解な民法の問題が出題される権利関係と違い、この科目は、過去の合格者の1番の得点源になっています。
その中でも「宅地建物取引業法」は、建築士の試験科目「法規」にも出題されます。
二級建築士試験で基礎を抑えて「宅建業法」は早めに得意分野にして下さい。
また「3)法令上の制限」や4)の建築物の構造など建築の分野と出題が重なります。
建築士試験の経験者であれば、8〜9割は確実に得点したいです。
過去問題以外の難しい応用問題も出題されます。
それでも建築の専門知識がある建築士の方が、有利に解ける問題もあります。
最初は共通で出題される過去問の法令を理解する
宅建を初めて受験する人が挫折しやすいのは、難解な法律用語や法令が多数出てくるので、勉強がとっつきにくい事です。
その点、宅建と同様に難解な専門用語が多く出題される建築士の試験勉強に慣れている受験者は有利です。
まずは建築士の試験で勉強した法規の中で馴染みがある法令から先に、
どんな目的で何を具体的に定めた物なのか?を基礎から理解しましょう。
特に「宅地建物取引業法」「都市計画法」「建築基準法」などは宅建と二級建築士の両方で出題される重要な法令です。
宅建試験に慣れる為にも最初に抑えておきたいです。
一つでも理解できる事が増えれば勉強はリズムに乗ります。
下記で頻繁に出題される「宅地建物取引業」を例に要点をまとめてみました。
「宅地建物取引業法」
<主な目的>
①宅地建物取引業を行う者が適正な業務運営を行う為
②公正な宅地・建物の取引を確保する為。
③不動産業界の健全な発達を促進する為
<定められている法令の種類>
宅地建物取引業者免許申請:宅地建物取引業の免許を受ける為の申請業務
宅建業関係申請・届出:宅地建物取引士の登録や届出。「営業保証金の供託」「保証協会への加入」「専任の宅建取引主任者の登録」
業務内容 (契約書など):「35条書面」重要事項説明「37条書面」記名押印
この様に法令や用語の大本となる幹の部分を理解したら、次は細かい枝葉部分の暗記へと広げていきます。
② 都道府県知事の宅建業免許が必要:1つの都道府県内に事務所を設置
<免許の失効>
免許は5年ごとに更新を受けなれば失効
<失効条件>
<欠格事項>
5年間は免許を受けられない
①免許取消し
②廃業し廃業届けを出す
③免許取消処分前に廃業し、廃業
④禁錮以上の刑、刑の執行終了、or 時効の完成から
⑤罰金刑、執行後、or 時効の成立
⑥免許申請前に宅建業で不正
⑦暴力団員でなくなった日から
年数関係なく不可
⑧成年後見人、被保佐人、復権を得ていない破産
⑨宅建業で不正、or不誠実な行為
⑩営業で成年者と同一の行為能力を有しない未成年
or 未成年の法定代理人 ①〜⑨に該当
建築士の学科試験では、法規は法例集が試験会場に持ち込みできます。
法規は全てを細かく暗記する必要は無かったので、建築士試験と少し違う事に戸惑う人もいるかもしれません
しかし暗記項目が増えても、要点を整理すると頭に入りやすいです。
宅建士と建築士の両方を効率よく勉強するコツ
建築士と宅建士の両方を効率よく勉強するコツは、早めに共通の分野から覚えてリズムに乗せる事です。
2つの試験は、出題範囲が多いので、知識を上手に整理するのがコツです。
・ノートに短く要点を書き出す
・常にノートを読み返し、法令の内容を整理し理解する
ノートにまとめるコツは、短く要点だけ書きだす事です。
「宅地建物取引業法」など長々と条文を書き出すと理解し覚えるのが負担になります。
また、要点をまとめながらノートに書き出す作業は大切です。
知識を整理する事に繋がります。
要点を常に読み返していると法令自体を理解するので、難解な問題も解きやすくなります。
試験勉強でよくある失敗は、過去問題が出題されるので予備知識なしで、いきなり過去問題だけを解き始める事です。
しかし、問題に出る法令の意味自体を理解していないと、過去問題を何度繰り返しても、問題の主旨を掴めません。
単なる過去問題の丸暗記は、応用問題が出た時に問題が解けません。
もしノートに要点をまとめる時間がない人は、最初から要点をまとめてくれている教材を利用する方法が時間の節約になります。
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