宅建士と行政書士の合格率と難易度を徹底比較!独立や転職はどちらが有利?

テスト

行政書士は、法律系の仕事をする人には、宅建士と一緒に取得したい資格の一つです。

試験範囲も重なることからW取得を目指す人が多く、特に民法の勉強は、どちらの資格勉強でも役立ちます。

宅建士と行政書士のどちらを先にめざすのが、キャリアアップに役立つのか?

合格率や難易度、年収や転職状況から、どちら先に取得するべきか?などを比較検討してみました。

宅建士と行政書士の合格率と難易度を徹底比較!独立や転職はどちらが有利?

宅建士と行政書士の合格率と難易度の比較

一般的に試験が難しいと言われるのは、行政書士の方です。

行政書士の合格率は10%前後、宅建士合格率15%よりも、一段と難易度が上がります。

どちらの資格試験も、各科目ごとの足きり点はありません。

よって、自分の得意分野で点を伸ばすことが可能なので、社会人の受験に向く資格です。

宅建士と行政書士の合格率と難易度は?社会人に向く資格

【行政書士】の合格率と難易度

行政書士の試験の配点方法は、絶対評価で、合格ラインである180点を取れば合格できます。

難易度にもよりますが、年度によって合格率にバラつきがある(8.27%〜15.7%)のが特徴です。

年度 受験者数 合格者数 合格率
30年度 39,105名 4,968名 12.7%
29年度 40,449名 6,360名 15.7%
28年度 41,053名 4,084名 9.95%
27年度 44,366名 5,820名 13.1%
26年度 48,869名 4,043名 8.27%

(参照:一般財団法人 行政書士試験研究センター

行政書士は、年度によって、特に試験が難しい年と比較的易しい年が、あるとも言われています。

ただ、全体の合格率を平均すると約9%で、10に1人の合格者が出るかどうかの難易度の高い試験です。

【宅建士】の合格率と難易度

行政書士の絶対評価とは違い、宅建士の場合は、上位から15%前後に合格者を絞ります。

よって合格点も年度ごとに変化します。

2018年度は37点が合格点となり、35点の平均よりも高い合格ラインになりました。

最も合格率が高い年度は、26年の17.5%です。

しかし、26年の合格数33,670は、15.6%の合格率だった30年度33,360名と、ほぼ同じです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
30年度 265,444名 33,360名 15.6%
29年度 258,511名 32,644名 15.6%
28年度 245,742名 30,589名 15.4%
27年度 243,199名 30,028名 15.4%
26年度 238,343名 33,670名 17.5%

 宅建士の合格率と難易度について詳しくはこちら 

行政書士と宅建士の試験内容の比較

受験条件は、どちらの資格も年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験することができます。

試験日は、宅建士が10月(第4日曜日)、行政書士が11月(第2日曜日)と試験日が近いです。

  宅建士 行政書士
試験日 令和元年10月20日
(10月の第4日曜日)

令和元年11月10日
(11月の第2日曜日)

試験時間 午後1時~午後3時(2時間)

午後1時~午後4時(3時間)

試験形式

・4肢択一(マークシート)

合計 50問

・5肢択一式(マークシート)45問

・多肢選択式 13問

・記述式(筆記)2問

合計 60問

試験免除

5点免除制度(5点加算)

実務経験があり登録講習修了者

(修了年を含め3回分有効)

無試験で行政書士登録可

弁護士、弁理士、公認会計士税理士の資格取得者

合格発表日 令和2年12月4日 令和2年1月29日
合格基準点(2018年) 37問/50問

法令等科目の得点:122点以上

一般知識等科目の得点:24点以上

行政書士試験全体の得点

(300点満点中)180点以上

平均 合格率

15.4%

9%
出題分野

計4科目

計6科目(法令等5科目+一般知識等1科目)

民法 法令等(憲法、行政法、民法、商法及び基礎法学)
宅建業法
法令上の制限

一般知識等(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)

税・その他

(参照;「一般財団法人 行政書士試験研究センター」不動産適正取引推進機構」より)

行政書士の勉強時間は、宅建士よりも2倍必要と言われています。

行政書士は、マークシートだけでなく、記述(筆記)試験の対策も必要です。

科目数も6科目と宅建の4科目よりも多く、試験時間が3時間と(宅建は2時間)長くなります。

【宅建士+行政書士】は共通の試験範囲で有利になるか?

民法などが重なる行政書士と宅建士の試験は、共通する試験範囲があるので、両方を取得すると相乗効果があると言われています。

ここ最近の行政書士試験は、出題数・配点において、民法のウエイトが高まっています

そのため、宅建で学習した「権利関係」の知識を活かせれば、有利に学習を進められます。

また、「都市計画法」や「建築基準法」といった法律の知識は、メイン科目である行政法を具体的に考える時は、とても役立ちます

(参照引用:「ユーキャン:宅建士×関連資格ステップアップ特集」より)

ただ、気をつけることは、民法以外の全ての試験範囲が重なる訳ではありません。

宅建と行政書士を同時受験するのは、楽ではないという意見もあります。

行政書士試験で、必ずしも借地借家法や都市計画法などの不動産分野出題されるわけではない、ということです。

異なる試験は別個に対策を立てるのが望ましいですが、同時受験となるとそのあたりが曖昧になって混乱するリスクは否めません。

(記事引用:スタディング「行政書士と宅建士のダブル受験は効果的ですか?より)

民法を中心に共通の出題部分があっても、宅建士を取得できたから行政書士も簡単に取得できるとは、限らないようです。

宅建士と行政書士の同時受験は可能か?

行政書士と宅建士の試験範囲で、重複する科目は、民法だけです。

試験に出題される法律は、行政書士は行政法や民法、宅建士は建築・不動産関連が中心で、重ならない範囲も多いです。

しかし、初心者であっても、1年以上前から計画的に早めに学習すれば、同時合格できる可能性があります。

早めに計画的に勉強を始める

一般的に行政書士に必要な勉強時間は、500〜600時間

宅建士は250〜300時間で合格すると言われています。

単純計算すると、約800時間の勉強時間を確保する場合は、1年4ヶ月(16ヶ月)で合格に必要な勉強量に達します。

【勉強時間の計算例】

・1日2時間 × 25日 = 50時間

・50時間 × 16ヶ月 =800時間

少ない学習量でも同時合格できる場合

また、800時間も必要ない受験生もいます。

過去に行政書士か宅建士の受験勉強の経験がある人は、短期間であっても同時受験でダブル合格できる場合があります。

法学部卒や法律関係の実務についている人も、民法の攻略が楽にできるので有利です。

初心者は(私もそうでしたが)一般的に民法の攻略に時間がかかるので、民法ができることは強みなります。

行政書士と宅建士は、試験範囲も広いので学習するとキリがないです。

その場合は、点が取りやすい分野だけに集中する戦略もあります。

特に行政書士の行政法は暗記すれば、得点しやすい分野です。

この分野に集中して3ヶ月ほどの勉強で行政書士に合格できた受験生もいます。

また、宅建士の方も宅建業法の科目で9割正解にできれば、合格に近くなります。

同時受験をしても合格しやすい人は、効率よく試験対策ができる人です。

また、同じ年に受験することが難しくても、順番に取得していく方法もあります。

その場合の多くは、最初に宅建士を取得して、その後で行政書士に挑戦する受験生が多いです。

 通信講座フォーサイトの宅建士と行政書士は、合格率が高く、不合格の場合は受講料の全額返金制度もあります。

詳しくは【宅建フォーサイト】評判と口コミは?宅建に合格した私が合格率70.8%を検証!

詳しくは行政書士フォーサイト】評判と口コミから合格率37.3%の秘密を徹底分析!

【行政書士vs.宅建士】転職と独立どちらが有利か?

行政書士と宅建士は、どちらが転職や独立に有利なのでしょうか?

一般的に知名度が高いのは宅建士の方ですが、独立しても仕事が多いのは行政書士です。

独立開業に有利な行政書士

転職や就職に有利な宅建士

行政書士と宅建士の資格者の求人状況を調べると、宅建士の資格取得者を応募する企業の方が、多いです。

行政書士と宅建士の比較:合格率、試験内容、転職と独立を徹底比較

(引用:FineGraphicsさんによる写真ACからの写真)

宅建士の転職や就職需要が多い理由

不動産の仲介業を行う会社では、従業員の5名に1人の割合で宅建士を置かなければなりません。

汎用性が高い資格なので、就職先も不動産業界だけでなく、建築業界、金融業界など多岐に渡ります。

知名度の高さからも転職には有利になります。

その一方で、行政書士の就職先は、行政書士法人や公務員職などに限られ、求人募集も多くないのが現実です。

行政書士と宅建士の転職はどちらが有利か?行政書士の就職先は少ない

行政書士は独立に向く理由

行政書士の仕事は、1万点に及ぶ書類を取り扱える書類作成を行い、独占業務も多いです。

他の資格に比べると、比較的、独立後で仕事を得やすいチャンスがあります。

定年退職後で、中高年が仕事をしたい人気資格でもあるのは、仕事が独立しやすいこともあります。

宅建士も一緒に取得すると、不動産業界などの専門分野に特化できる強みがあります。

また、宅建業で不動産売買をする時に、登記業務を行うのは司法書士ですが、行政書士の法律の知識は役立ちます。

このような理由から、宅建士の次は、ステップアップの資格として行政書士をめざす人が多いです。

では、本当にダブル資格で年収アップできるのか?

 詳しくは >>>【行政書士+宅建士】で本当に年収UPできるか?ダブル取得の相乗効果を徹底検証

  • このエントリーをはてなブックマークに追加