1級建築士には私は3度目にやっと合格しました。
2年目の学科試験直後の学校の採点では、私の点数は合格基準点に1点足りないグレーゾーンでした。
当時の私は、学科試験直後から始まる日建学院と資格学院の両方の製図講座に参加できました。
(詳しくは:日建学院と資格学院2つの一級建築士の製図講座に通った私の体験談)
資格学院も日建学院も大手の資格予備校なので、全国に学校があります。
私は千葉の学校に通っていましたが、帰省時には大阪の教室に振替出席しました。
その時に偶然出会った熱血講師?に衝撃を受け、モチベーションが一気に上がった体験談をお伝えします。
その講師は30代半ぐらい?
独立して設計事務所を経営している、ややヤンキーっぽい感じの頭を染めた男性講師(失礼な言い方ですが)でした。
金色の光物のネックレス?をして黒ずくめのジャージのような?
格好で出てきて教壇に立った時から、他の先生とは違う独特のオーラがありました。
この日は、たまたま代行で講師を頼まれたらしいです。
今でもそうですが、資格予備校で教える講師は、本業で設計の仕事をする非常勤の先生が多いです。
そして、ほとんどの先生はスーツ姿で講義しているので、かなり違和感がありました。
話はいきなり挑発的な言葉から始まりました。
「この教壇に立っている俺と皆さんとは大きな違いがある」
「一級建築士の資格を持っているか、持っていないかだ」
「こちら側の人間になれるか、なれないかで人生は大きく変わる」
別に一級建築士の資格を持っている人だけが、建築業界で活躍している訳ではありません。
資格だけで人生は大きく変わるとは断言できません。
しかし、私は一級建築士が欲しくてたまらないから学校へ通っていたので、その講師の言葉に思わず聞き入りました。
「どうやったら誰でも合格できるかわかるか?」
「それは人よりも描きまくることだ、練習することだ」
「俺は一級建築士の学科試験に合格した日から、製図対策に没頭した」
「一日2枚は描いた。毎日、10時間以上は描いたかな」
この人は、設計事務所に勤めている人なのだろうか?
そんな製図の練習をする時間をよく取れたたな。
思わず思いました。
「その頃は、職場でも仕事しろって言われたよ。
でも無視して製図の課題を描き続けていたよ。
事務所でも大ひんしゅくだったけど、完全に無視した。
一級建築士取るのは、一生に関わる事だろ!
誰も俺の人生に責任取れないだろ、周囲に配慮して時間を作らないのはバカだよ」
「絶対に一級建築士取るつもりで闘えよ。」
よく設計事務所を首にならなかったものだ。
この人を雇っていた所長は偉い。
話を聞きながら、完全にドン引きしていた受講生は居たと思います。
しかし、私は強い衝撃を受けました。
人の倍の練習をすれば、必ず合格できる。
私のように製図経験が浅くても、一級建築士の製図試験に一発合格できる方法があると確信できた瞬間でした。
当時の私は、1点差で学科が落ちている可能性から、モチベーションがイマイチ上がらない状態でした。
でも熱く語る言葉を聞いているうちに、やる気がフツフツと湧いてきました。
そしてこの講師の言葉が、3年目の製図対策講座で、私が2つの学校の課題を全てこなす原動力になりました。
この講師の意見や彼の受験体験談は、極端な例かもしれません。
忙しい職場に勤めている人は、現実は自分のために時間を作る事はできません。
でも本当に欲しい物を手に入れたい時は、ガムシャラに取りに行く執念が大切。
その一歩は、製図を練習する時間を強引にでも作る事です。
学科試験から製図までは、たった3ヶ月ほどの期間です。
周囲に配慮するよりも、多少はわがままに時間を作っても良いのでは?
今から思えば、それを受講生の私達に一番伝えたかったのだと思います。
そして、この講師はさらに驚くべきフォローを振替受講の私にもしてくれました。
「今日、このクラスに参加した人で、エスキースを添削して欲しい人は、個人的に送ってくれたら、見てやるよ」
クラスで、その言葉を真に受けてエスキースの添削をお願いしたのは、私だけだったと思います。
しかも1回だけでなく、学科の不合格が決定するまで5〜6回も。
毎回、メールかFAXで送りましたが、忙しい中、無償でコメント付きで返信して下さりました。
合格を応援してくれる、その純粋な気持ちはとても励みになり嬉しかったです。
3年目の一級建築士の合格発表後、私はこの講師にブランデーのお酒をお礼に贈りました。
確か授業で酒が好きと言っていたのを覚えていたからです。
「おめでとう。勝利の味をいただきます。」
この講師は仕事には妥協せずに、自分に正直に熱く生きていました。
10年以上も前の体験談なので、今はこんな講師はいないかもしれません。
学校外で無料で製図の添削サービス?
こんな講師の逸脱行為は、どの資格予備校も禁止していると思います。
でもこれは全て実話です。
こんな熱い講師、他にも素晴らしい友や先生方との出会いがあった私は幸運でした。
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