宅建士の過去問解説【業務上の規制-通則】業務処理原則・概要・広告

テスト

今回の宅建士になるための過去問解説は、宅建業法「業務上の規制 – 通則」についてです。

宅建業法では宅建業者の業務について、法律と経済の知識が乏しい消費者を保護するために業務上の規制が定めています。

ここで平成27年度に出題された「業務上の規制」に関する問題です。

問題35

1)「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない」との規定があるが、宅地建物取引士について、規定はないものの、公正かつ誠実に宅地建物取引業法に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。

2)「宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地建物取引士の信用又は品位を害する行為をしてはならない」との規定がある

正解か誤りか?

上記の問題は、常識的に考えれば、何となく簡単に解答がわかりそうですが、実は引っ掛け部分もあります。

業務上の規制の8種制限は、宅建士試験にも出題されるので重要です。

宅建士をめざす人以外にも、物件を購入するときに、業務の規制を知っていれば、業者に対して有利な立場にたてます。

しっかり理解してください。

宅建士の過去問解説【業務上の規制-通則】業務処理原則・概要・広告

宅地業者の業務処理原則等

宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない(法31条・31条の2)。

(従業員の教育)

宅地建物取引士は、その業務者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない(法31条の2)。

(参照:「パーフェクト宅建 基本書」より)

上記の法31条1項の規定は、宅地建物取引の専門家である宅建業者に、業務を処理するのにあたり、民法1条2項に規定する信義誠実の原則を重ねて規定したものです。

これらは宅建業者の心構えを抽象的に定めた訓示規定です。

違反しても直接業務停止・免許取り消しや罰則は適用されませんが、監督処分の対象になることがあります。

業務上の規制の概要

「業務一般」と「広告」の2つを解説していきます。

【業務一般】

・証明書の携帯・標識の提示

・帳簿の備付け

・業務を行う場所の行政庁への届出

【広告】で禁止・制限されていること

・誇大広告の禁止・広告開始時期の制限

・取引態様の明示

業務の流れ

広告 ➡ 契約成立前 ➡ 契約 ➡ 契約の履行 ➡ 報酬

契約業務について

上記の流れの中で、最も重要な契約についての規制です。

【物件】

完成物件か未完成物件かによって規制が変わります。

完成物件 ⇒ 手付金等の保全

完成物件 ⇒ 広告開始時期と契約締結等の制限、手付金等の保全

取引態様

・売買、交換の代理・媒介 ⇒ 媒介契約等の規制

・業者自らが売主となる場合

自己の所有に属さない売買契約締結の制限

・クーリング・オフ

・損額賠償額予定等の制限、手付額の制限、

・瑕疵担保責任の特約の制限、手付金等の保全、

・割賦販売の契約解除等の制限

・所有権留保等の禁止

* 注意点

・業者自ら売主となる場合の規制は、業者相互間取引では適用除外となる

・マンション管理適正化法では、業者自ら売主として新築マンションを分譲する場合、管理者等に対して、設計図面交付を義務付けている(マンション管理適正化法103条)

口頭で行うことが可能な業務

・媒介契約において価格について意見を述べる場合の根拠の明示

・専任媒介における業務処理の報告

・取引態様の明示

・供託所等の説明

宅建暗記のポイント「業務上の規制-通則」

・法32条~43条で罰則があるのは2つのみ。①誇大広告の禁止(32条)と②書面の交付義務(37条)

・法44条~50条で罰則がないのは、不当な勧誘等の禁止(47条の2)のみ

宅建の過去問解説まとめ

今回の「宅建業法上の規制ー通則」の過去問解説はいかがでしたか?

物件を購入する買主(消費者側)の立場からすれば納得できる規制ばかりなので、整理して理屈で覚えてください。

序文の問題の解説です。

1)誤り。

「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない」とする規定も(宅地建物取引業法31条1項)、「宅地建物取引士は、公正かつ誠実に宅地建物取引業法に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない」とする規定もある(同法15条)。

1)の問題は、「規定はないものの」の部分が違います。

2)誤り。

「宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」とする信用失墜行為の禁止は、宅建業の業務に従事するときに限定されない(同法15条の2)

(参照:【平成27年 問35項1、2】過去問解説より)

宅建士試験の問題は、法律のわずかな違いでも問われるので注意してください。

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